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アメリカの祝日と休日・休暇

6 月 10 日の自由の日。

私はずっと、「アメリカは祝日が日本より大幅に少ない」という先入観を持っていました。

しかし、2021年からジューンティーンスが増えたため、アメリカの祝日は年間11~13日になり、日本の16日とそれほど差がなくなっています。

さらに、アメリカの「国民の祝日」は日本より少ないですが、州法で定められる州独自の祝日もあるため、実際の祝日数は日本とほぼ同じです。

結局のところ、就学、就業状況による違いの方が圧倒的に大きく、祝日が休日とは限らないのは日本もアメリカも同じです。

目次

アメリカの祝日

祝日・祝祭日を表す用語は2つ、ナショナル・ホリデー(National Holiday)とパブリック・ホリデー(Public Holiday)があります。多くの場合、これら2つは同じ意味で使われますが、微妙に違いもあります。

ナショナル・ホリデーは、通常、その国の政府によって公式に認定された祝日を指します。これらナショナル・ホリデーにあたる祝日は、しばしば歴史的な出来事を記念したり、その国の文化やアイデンティティを強調したりすることが多いです。ナショナル・ホリデーは一般的に全国で祝われます。

一方、パブリック・ホリデーとは法律により従業員へ与えられる休日を指すものです。詳しい定義は国により異なります。

多くの国ではパブリック・ホリデーが全国で祝われるため、基本的にナショナル・ホリデーと同様です。この記事では、ナショナル・ホリデーを「国民の祝日」をとして記述します。

ほとんどの場合、これら二つの用語は互換性があり、微細な違いがあるだけです。

ただアメリカ合衆国の場合は、合衆国全土で祝われる連邦の祝日とは別に、特定州だけで祝われる州のパブリック・ホリデーが存在します。

これらのパブリック・ホリデーは、特定の州だけの祝日で全土(ナショナル)ではないので、ナショナル・ホリデーとは違います。

アメリカの「国民の祝日」

2023年時点でのアメリカの祝日は以下のようになります。

  • 1月1日 – 元旦: 新年を歓迎する日です。
  • 1月第3月曜日 – マーティン・ルーサー・キング・ジュニア・デー: 公民権運動で活躍したキング牧師へ敬意を表し彼の貢献を讃えるため制定されました。
  • 1月20日 – 大統領就任式の日:4の倍数の年の次年(次は2025年)に行われるアメリカ合衆国大統領の就任式の日は祝日です。
  • 2月第3月曜日 – プレジデンツ・デー(大統領の日): ジョージ・ワシントンやエイブラハム・リンカーン等、すべてのアメリカ大統領を称えるため制定されました。
  • 5月最終月曜日 – メモリアル・デー(戦没者追悼記念日): アメリカ合衆国に命を捧げた軍人に敬意を表すため制定されました。
  • 6月19日 – ジューンティーンス・ナショナル・インディペンデンス・デー(奴隷解放記念日):1865年6月19日にテキサス州で奴隷解放宣言が発令された日を記念して制定されました。
  • 7月4日 – インディペンデンス・デー(独立記念日): アメリカ合衆国が自由な国家となるべく独立宣言した日を讃える記念日です。
  • 9月第1月曜日 – レイバー・デー(労働者の日): アメリカ労働運動及び労働者がアメリカ合衆国に与えた貢献に感謝します。
  • 10月第2月曜日 – コロンブス・デー: 1492年クリストファー・コロンブス一行が初めてアメリカ大陸に到達したことを記念した日です。
  • 11月11日 – ベテランズ・デー(退役軍人の日): 男女問わず退役した元軍人(ベテラン:退役軍人)へ感謝を表するため制定されました。
  • 11月第1月曜日の翌週火曜日 – エレクション・デー(選挙の日):2年に一度、奇数年に行われる統一選挙の日です。合衆国大統領、州知事、連邦議会(上院・下院)、州議会、地方議会、などが一斉に選挙される日で、大統領選挙のない年は「中間選挙」と呼ばれます。
  • 11月第4木曜 – サンクスギビング・デー(感謝節):恵みに感謝する日で家族や親しい友人と食事会をすることが多いです。サンクス・ギビングには、七面鳥の丸焼きなどの伝統的料理があります。
  • 12月25日-クリスマス:「イエスキリストの誕生日」として祝われるキリスト教の行事の日です。飾りつけやイルミネーションをして、家族や親しい友人と集まってパーティーをすることもありますし、家族と静かに過ごす場合も多いです。

日本と共通する日もありますが、奴隷制や公民権運動関連の祝日が多く、宗教的な日であるクリスマスも国民の祝日になっている点が特徴的です。

2021年6月19日から、ジューンティーンス・デーが新しくアメリカ合衆国のナショナルホリデーに加わりました。

バラク・オバマ元大統領が上院議員時代に法案を提出したこともある祝日ですが、2020年にトランプ前大統領が選挙公約に持ち出して話題となりました。

2021年6月15日に上院で全会一致、翌6月16日に下院で415対14で可決され、さらに翌日6月17日にバイデン大統領が署名して発効し、2日後の2021年6月19日から祝日となりました。対応が間に合わなかった職場も多いのではないでしょうか?

州ごとのパブリック・ホリデー

アメリカ合衆国は、州ごとに法律が制定されます。

州ごとに、祝日を定めることもできるため、州独自の祝日があり、多くの州で共通して存在する祝日もあります。

  • 州の独立記念日、州制記念日は多くの州で祝日になっています。
  • シーザー・チャペス・デー:公民権運動の指導者シーザー・チャペスの誕生日を祝うための祝日です。カリフォルニア州、コロラド州、テキサス州などの州で制定されています。
  • 11月第4金曜日 – サンクスギビング・デーの翌日:サンクスギビング・デーはナショナル・ホリデーですが、翌日も祝日として定めている州があります。

ハワイ州の独自パブリック・ホリデー

日本人の旅行先としても人気で、日系人も多いハワイ州を例にとって、州独自のパブリック・ホリデーを見てみます。

  • 6月11日 – カメハメハ大王の日
  • 3月26日 – クヒオ王子の日
  • 8月第3金曜日 – 州制記念日

3日制定されているので、ハワイ州の場合は祝日がナショナル・ホリデーと併せて14日~16日になり日本とほとんど遜色ありません。

「祝日」と「休日」の大きな違い

これまで見てきた通り、国民の祝日に限れば日本の方が少し多いですが、アメリカでは州の祝日もあるので、実際上は大差ありません。

ただ、「祝日」とは別に、日本でもアメリカでも法律で決まった休み以外に、共通して休んでいる場合が多い休日が結構あります。

日本の代表的な休日

日本で祝日以外によく休日になっている日は、

  • 正月三が日(1月2日と1月3日)
  • 大型連休(ゴールデンウィーク)
  • 盆休み(8月13日から15日)
  • 年末(12月29日から31日)

が挙げられます。

社会人の場合、会社によってはもっと長い場合もありますし、学生だと夏季休暇が7月下旬から8月末まで設定されているとか、12月25日以降が休みであるといった場合があります。

ただ、病院などの医療機関は祝日以外の休日はないことが多いですし、入院患者・入所者がいる医療機関や福祉施設の場合は祝日も対外業務以外は通常営業で実質年中無休のことは多く、飲食店や商店だと定休日があるけれど祝日など他の人が休みの時期はかき入れ時、ということも多く、上記の休日や祝日は一部の人だけのものです。

アメリカの休日

アメリカ英語では、休日・休暇は「day off」「days off」と言われ、日本と同じく祝日以外の休日は多いです。ただ、立場による違いは日本よりも大きいと思います。

学生は、学校によっては特に理由がわからないけれど休日に指定されている日がかなりあるようですし、日本と比べて夏季休暇が長いこともよく知られています。

会社によっては、クリスマスから31日まで休日ということもありますが、日本と同じく一斉に休む休日などはない業種もあります。

日米でことなる休暇の取り方

アメリカでは、日本のサラリーマンが一斉に休むような休日より、個人の裁量で管理しながら取得する休暇の方が主流です。

しかし、アメリカには有給休暇を規定する法律が存在せず、勤務先との契約によって決まるのが一般的ですので、休暇がどの程度取れるのかは、契約次第です。

年俸制の場合、何日休んだかに関わらず減額されない場合もあり得ますが、労働の態度や成果が足りないと上司に判断されれば解雇されることも日常茶飯事です。対照的に、働いた時間分だけ支払われる契約では、休むとそれだけ給与が減る上に解雇される危険もあります。

日本では労働者が保護されているように見えますが、「研修」「非正規労働」という問題はもあり、中途採用が一般的ではない業種だと離職後に再就職するのも難しいので一長一短だと思います。個人的には、医療業界にいることもあって、休暇を調整しながら取得する形になれており、アメリカ型の方が違和感を感じません。

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