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アメリカで出会った日本人、留学生

建物の前のテーブルに座る二人。

私はMD, PhDの資格を持ち、ポスドクとしてアメリカ留学しました。

医師の間では「留学=ポスドク」ですが、これは一般的なイメージでの「留学」とは少し異なります。もう一度渡航する機会があれば、ぜひ勉強する留学をしてみたいです。

アメリカ滞在中、多くはなかったものの、それなりに日本人との交流もありました。留学生、日本人を含む定住者について書いてみます。こういう進路もあるのかと読んでいただければ嬉しいです。

目次

日本人の留学生

留学した後定住していた人達も含みますが、高校、大学、大学院修士課程、大学院博士課程、研修医、ポスドク、神学校大学院、などでアメリカ留学してきていました。

asian students on the terrace in a European-like city
アジア系学生のイメージ created by AI

大きく分けて、学生としての留学か、研修生・労働力としての留学かに分かれます。辞書的な意味では、留学は「よその土地、特に外国に在留して勉強すること」(広辞苑)ですが、百科事典では「留学とは、文字どおり「留(とど)まり学ぶ」ことであり、現在では外国の学問・芸術・技術・制度などを摂取するために、比較的長期間にわたって外国に在留し、大学等の教育機関や研究所で勉学または研究することをいう。」(日本大百科全書(ニッポニカ))なので、研究留学は広い意味での留学になります。

学生としての留学

高校、大学でアメリカに留学してきていた人たちの留学当時のことは知りません。卒業後に進学、就職して結婚して家庭も持っている人たちとたまたま知り合いました。基本的にはアメリカ人と同じようなスタイルになっている人が多く、英語力が一番高いグループでした。現地では知り合いませんでしたが、日本の学校(高校や大学、大学院など)から交換留学で数か月から1年くらいの期間で留学している学生もいたはずです。

大学院で留学してきたグループの人たちは、アメリカで今も暮らしている人が多い印象です。MBA留学生には出会ったことがありませんが、留学を計画する時点で日本へ帰国するまでの計画を立てる人以外は残っているのだと思います。現地企業に就職した人もいれば、ポスドクを経てPI(研究室代表)を目指している人もいます。

研修生・労働力としての「留学」

私のアメリカ留学はこちらの、労働力としての「留学」です。アメリカの大学研究室の博士研究員(ポスドク)として、費用の多寡は別として研究室からの給料や各種の奨学金、研究費、奨励金などを受け取りながら渡航し、滞在中は基本的に研究室の研究テーマに沿う研究を行い、成果を出せればアメリカで教授を目指すコースに入れる場合もあります。

ポスドク留学と少し違いますが、医師が主に箔付けや交流目的で2年程度以内の臨床留学をする場合もあります。ポスドク留学の中にも1~2年で帰国する予定留学の人もいます。

研修医としてアメリカの医療機関に渡航した人もいました。日本でUSMLEという米国医師免許試験のうち、実地を含まない第2段階までを受験し、アメリカで受け入れ研修機関を見つけて渡航する形です。研修終了後に、あちこちの病院を渡り歩いておられました。アメリカには、現在日本でも行われている研修のマッチングシステムがあって大学の成績、USMLEの成績等を総合的に加味して採用順序が決められるため、大人気の診療科目で研修をする道は険しいです。

日本のキリスト教教会関係者がアメリカの神学校へ留学に来ていたという例もありました。年限も決まっていて留学費用の懸念もなくのびのびとされていました。

外国人の留学生

私が留学していた間に知り合った留学生は、主にポスドクで一部博士課程の留学生でした。

思い浮かぶ限りで、インド人、中国人、日本人、韓国人、ブラジル人、イタリア人、イギリス人、ドイツ人、フランス人、セルビア人、ポーランド人、チュニジア人、シリア人、などがいました。

日本人はほとんどが医師のポスドクだったためか、まだポスドクをしている人はいますがほぼ帰国しています。西欧人も自国へ帰国しています。

中国人、韓国人、インド人は最近帰国する人も増えているようです。中国やインドは、アメリカで就職するより自国の方が良い条件で働ける機会が増えているようです。 

東欧、中南米のポスドクは知る限りではアメリカに残っています。

ポスドク達の進路
  • 自国へ帰国し、研究職、教育職、医療職
  • ポスドク継続
  • PI(研究代表)になり研究職
  • 研究・開発機関に就職
  • 臨床医
  • 主夫・主婦
  • 行政側に就職(アメリカ人)

少数ですが臨床医になった元ポスドクがいる一方、基本的には主夫・主婦になっている元ポスドクもかなりいます。アメリカでは単身赴任がいないわけではないですが、広いので距離も遠くなるので、同じ地域の仕事を探しながら家事・育児をする人が、外国人だけではなくアメリカ人にもかなりいるように思います。

元ポスドクのアメリカ臨床医

現在、アメリカで臨床医をしている元ポスドクは、

Case
医学部へ入学からスタート

ポスドクでコネクションと実績を積んでから医学部へ編入して卒業、卒後研修しつつ研究もして臨床医兼PI

Case
研修医スタート

ポスドクでコネクションと実績を積みUSMLEをとって、レジデントからスタートし臨床医

Case
スペシャリストスタート

スドクでコネクションと実績を積みUSMLEをとって、研究ポジション兼臨床医

の3パターンの人が周りにいます。Case1のように医学部へ入学して卒業するまでには、かなりの期間と費用が必要で難易度が高いです。他のCaseも簡単ではなく、別の地域で就職できなくて困っていて、一人はポストが取れず休職中のままです。

confident doctors

日本では、私の時代では卒業して研修までしてしまえば大学での成績は問われませんでした。アメリカでは、大学名も大事ですが在学中の成績の方が重要ですし、アメリカの医学生に聞くと「アメリカの医学部を出ていないと同等にはならないのではないか」とのことでした。

インターネット上には、アメリカで臨床医をしている日本人の話も多数あるので、興味があれば検索してみてください。

留学後のキャリアはいろいろ。

ここまで見てきたように、留学した学生やポスドクのその後のキャリアは様々です。

私の個人的な経験では、留学はその後のキャリアに良い影響はなかったと思います。しかし、別の記事にも書いた通り、異国の地で不安がある中で努力した日々と仲間と知り合って一緒に活動した経験は何物にも代えがたいです。

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