世の中に、英語の学習メソッドはたくさんあります。
インターネットさえあれば手軽に無料でもできる英語学習法に、「ニュースを英語で見る、読む、聞く」というものがあります。「話す」スピーキング力はつけられませんが、英語ニュースは耳と目を慣れさせてリスニング力とリーディング力をつけるためには最適で、おすすめです。
たくさんあるアメリカのニュースサイトの中で、よい英語学習教材になるサイトを紹介します。
英語でニュースを読むメリット
普段、どこでニュースを仕入れていますか?
私は、遠い昔はテレビ、ラジオと新聞でしたが、今は
- Yahoo! JapanやMSNといったポータルサイト
- ウェブブラウザーやスマホのニュースページ
- Twitter、Youtube、InstagramなどのSNS関連
を通じて、最終的には新聞社や共同通信社やAP通信などの通信社の配信記事を読んでいます。
テレビは10年前から持っていないし、運転中に聞いていたラジオはYoutubeと音楽ストリーミングにとって代わられ、医局で読んでいた新聞は最近では見なくなりました。
Youtubeでテレビ局のニュース配信を見ることもできますが、インターネット上で「今すぐ知りたい」を叶えてくれる、ウェブサイトやSNS、ニュースアプリを使うことによるメリットが大きいです。
すぐに調べられるだけではなく、理解できるまで何度でも見直す、読みなおす、聞きなおす、ことができます。さらに、わからない単語や聞きなれないトピックが出てきたら、いったん止めてインターネットで調べてから戻って続きをみることもできます。
つまり、インターネット上では「いつでも」「深く」「わかるまで」ゆっくり見る・読む・聴くこともできるのです。
これらの長所は、日本語で最新ニュースを知るにも役立ちますが、わからない英単語や言い回しが多い外国語を英語ニュースサイトを活用して学習するには絶大なメリットです。
ニュース以外はダメなのか?
この記事では英語ニュースをお勧めしていますが、ニュース以外でも英語に継続して触れることができれば他のものでも良いです。ただ、ニュースサイトは
- 多くが無料
- 毎日必ず新しい情報が出ているので、続けられる
- 英会話の練習をするときの話の内容にも使える
という点がとても便利です。好きなシリーズ物の映画やドラマ、読書などでも良いですが、有料で、一部を除いて長期間の学習には使いにくく、時事ネタではないのでその日の話題にするには情報が古くなってしまいます。
こういったことから、始める際のハードルが低く、たえず新しい時事が提供されていく英語ニュースは、学習に最適な情報源の一つです。
ニュースソースの選び方
ニュース記事を読むことにしたら、次にどこのニュースサイトを読みに行くのかを決める方法を、レベル別、目的別、英会話をする相手別に考えていきます。
英語初心者と子供の教育用に作られた英語ニュースもあります
初級者や英語力に自信がないひと向け
英語に苦手意識が強い人や、初心者・初級者でしたら、子供向けのニュースソースや外国人向けにレベル別に分けたニュースサイトがあります。
- TIME for KIDS …… 日本語版も発売されているTIME誌の子供用バージョンです。親や先生用の資料がサブスクリプションできるサービスがあります。
- VOA Learning English …… アメリカ政府が運営にかかわっているVoice of Americaの英語学習者向けニュースです。
- CNN10(旧名:CNN Student News) …… アメリカのニュース局、ケーブルニュースネットワーク(CNN)の学生用エディションです。
TIME for KIDSとVOA Learning Englishは、初級者、中級者、年齢別でおすすめする記事を表示できるので、レベル別に学べます。
CNN10は、もともと「学生」と学生用を前面に出していましたが、CNN10という名前に変わり、コンセプトが若干変化しました。「Our mission is to break down complicated news stories with easy-to-understand explanations from CNN reporters all over the world. 」(ニュースをわかりやすいように解説する)チャンネルになっているので、どうつながっているのかわからない関連ニュースなどを理解するのに役立ちます。
CNN10とVOAは、十分に詳しく解説されているので、英語ニュースになれていない英語学習中の日本人に最適です。
特定の目的があるひと・コミュニティが特定されているひと
ビジネス英会話を勉強中など、英語を使う明確なシチュエーションがゴールとして見えている場合は、関連したニュースサイトを使うのが良いです。
よく話す相手が特定のコミュニティに属している場合、話をしやすい時事ニュースに強いサイトを使うという方法もあります。
例えば私が研究留学していた時に話す相手は研究室の同僚やスタッフが多かったので、医学生物学などの新しい話題が出ている、ScienceやNature、New England Journal、the Lancet、などのニュースページを読んでおくと仕事に関連する上に話題にもなります。
通常通りに検索すると英語サイトにたどり着けないことがありますので、英語版のアメリカGoogleやイギリス版Googleなどを使いましょう。
趣味の友達がいるなら、関連する大手サイトを読んでおくと、自分の楽しみにもなる上に英語の勉強もできるので一石二鳥です。
このような場合には、必ずしもニュースではなくても、掲示板を読み漁るとか、ブログ記事のようなものを見るのも悪くはないですが、大手のニュースサイトと異なり書き手の英語レベルが保証されていないので、生きた英語かもしれませんが、書いているのがひょっとしたらネイティブではなく英語勉強中の日本人中学生、という可能性も捨てきれないので注意は必要です。
最新の英語ニュースを知りたいひと
英語の中級者、上級者が英語に触れる時間を増やすには、通常の英語ニュースをそのまま読むのがおすすめです。日本でもそうですが、ニュース会社はいつも偏向報道が問題になります。
アメリカの場合は、2大政党のどちら側に立っているかある程度明確なので、可能なら共和党と民主党の両側のニュースを見ておくのがベターです。
アメリカ英語のニュースサイト
アメリカの情報が最も多いので、主にアメリカのニュースソースを紹介していきます。アメリカ以外だとイギリスのBBCニュースが有名ですが、多くの国に英字新聞があり、ほとんどは英語ニュースサイトもあります。
個人的にはCNBCとCNNをよく見てきましたが、PBSもよさそうです。
長尺の動画コンテンツを見たいなら、PBS News HourかCNBCがおすすめのオンライン英語ニュースです。
ニュースポータル
- Google News …… Googleのサービス、Google Newsが一番便利です。設定を開いて、「言語と地域」からアメリカの英字ニュースならEnglish (Untied States)を選ぶとアメリカの英語ニュースが表示されます。
- Microsoft Start News …… マイクロソフトのMSNニュースです。マイクロソフトのサービスは、気づくと日本のサイトにリダイレクトされて戻れなくなったりすることがあるので、少し不便です。
全米ニュース
- Fox News …… 共和党寄りで有名なニュース局です。
- PBS News Hour …… 偏向があまりないとされているテレビ局のニュース番組です。
番組中に流れるCMまで一緒になっているので、アメリカのテレビを見ている気分に浸れます。動画でニュースを見るのに使いやすくて良いです。 - AP News …… 日本語でも配信ニュースに触れる機会が多いニュース局です。偏向が少ないとされているニュース局です。
- USA Today …… 偏向報道が少なめと認識されているニュースサイトです。少しウェブサイトのデザインに古臭さはありますが、幅広くニュースを扱っています。
- CNN …… どちらかというと民主党寄りで知られています。
日本語版ニュースもあるので、話題だけ知りたいときやどうしてもわからない時には便利ですが、CNNの膨大なニュースをすべて翻訳してあるわけではありません。日本語版になっていない情報に恣意的な意図を感じることもあります。
地域ニュース
- the Japan Times …… 日本のニュースを英語で読むことができる英字新聞です。
日本国内では朝日新聞系列で販売されているので、朝日新聞系のニュース化と思っていました。ロイター通信の2019年のニュースを見ると、記者は朝日よりで、編集上層部がブレーキをかけている感じなのでしょうか?
オフラインで新聞宅配も利用可能です。 - 時事ニュース英語版 …… 日本の時事通信社のニュースを一部英訳して配信しています。
ニュース内でクリックすると日本語と英語が切り替わるので、英語学習者に良いですが、全文翻訳されているわけではなく一部なので、英文ニュースだけだと内容が物足りないかもしれません。 - the Washington Post …… 日本でも知名度があるワシントンDCの地方誌です。
- the New York Times …… 日本での知名度も高いニューヨークタイムズです。
ローカルニュース誌ではありますが、発行部数全米3位で日本支部が朝日新聞社本社ビル内にあるなど、幅広い活動をしています。偏向報道が強めなので注意が必要です。Japan Timesの宅配に週に一回New York Times誌の国際版がついてきます。
金融ニュース
- the Wall Street Journal …… 日本でいう日本経済新聞のような新聞社です。
運営母体が非常に影響力が強いダウ・ジョーンズ社で、発行部数は総合誌より多く全米トップです。日本人が編集長の日本語版も発行されていますが、同じニュースを掲載しているわけではありません。 - Bloomberg asia …… アメリカの金融ニュース社Bloombergのアジア版です。
アメリカ、ヨーロッパ、イギリス、中東、アフリカに加えて日本版もありますが、日本バージョンは英字ニュースではなく日本語ニュースです。英語ニュースで日本に多く関連しそうなのはアジア版です。 - CNBC国際版 アメリカの大手ニュースグループNBCとダウ・ジョーンズ社が共同設立した経済ニュース局です。
アメリカ版もあります。系列には、日経グループの日経CNBCがあります。 - Reuter …… イギリス・ロンドンに本拠のある通信社で、総合ニュースよりも金融系ニュースが有名です。
アメリカ・ニューヨークのトムソン社(研究の世界では異常に影響力のある「インパクトファクター」を算定する元サイトWeb of Scienceを運営している)に買収されてトムソン・ロイターになっています。
スマートフォン、タブレット用の英語ニュースアプリ
各社、AndroidとiOS向けのニュース配信アプリを作っているので、隙間時間で英語に触れることができ、忙しい人でも通勤・通学中に英語を読む、聞くことができます。
お気に入りのニュースサイトをアプリストアで検索すると大体出てくると思います。
英会話教室や英語交流会などの英会話学習法と異なり、いつでも、どこでも、英語に触れることができる英字ニュースは、スマートフォンアプリで使うのが最も手軽で、他の学習法を実践するほどの時間がなくてもできるので時間を有効活用して勉強できます。
通勤時間にスマホゲームをしたりショート動画を見たりしている方は、ニュースを読んでみるのも良いと思います。ゲーミフィケーションといって、ゲームっぽく英語学習できる方法もありますが、ニュースならほとんど無料です。
GoogleニュースやMicrosoft Startの注意点
普段から使う日本語のニュースポータルサイトと同じように、使っているうちに耳障りの良いニュース、興味のある分野のニュースが増え、苦手分野のニュースは減ってしまいます。
苦手分野をまったく読まず、苦手を克服する必要がないならそれでも良いですが、英語の勉強に比重を置くのなら独立したニュースサイトアプリを使う方が望ましいです。
まとめ
英語ニュースを活用すれば、手軽に無料で効果的に英語学習できます。
- 長時間バックグラウンドで流すにはPBS News Hour
- 手軽にいろいろなニュースを読むにはGoogle Newsアプリやニュースサイト
- ジックリ読むにはUSA Today、the Wall Street Journal、CNNのうちサイトが使いやすいと感じたもの
- 白人保守層の共和党支持者が見るニュースを見たいならFox News
特に英語ニュースアプリをスマートフォンで使えば、通勤、通学中に英語に触れられるので、手軽に英語リーディングや英語リスニングを練習できます。
英語を勉強したいけれど時間がない!やったことがないからできない!という人でもスキマ時間でできるので、ぜひ挑戦してみてください。
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