本格的に春が近づいてきました。日本は桜の季節ですが、アメリカはトルネードに注意が必要な季節が始まります。先日もオクラホマ州で竜巻が発生して少なくとも一人亡くなっています。(強さを表すEFというスケールはまだ発表されていません。)

トルネードは主にアメリカの自然災害ではありますが、日本も発生地域で被害を受けることがあります。日本では頻発時期は8月から11月で、アメリカは3月から7月(秋も時々)です。

ここに載せているのは、トルネード対策についてあちこちのウェブサイトで勉強した結果です。周りのアメリカ人もあまり詳しくなかったので、正しい情報があるようでしたら是非教えてください。

 

竜巻?トルネード?

竜巻(たつまき、英語:tornado)は、積乱雲の下で地上から雲へと細長く延びる高速な渦巻き状の上昇気流。トルネードとも呼ばれる。ハリケーンや台風と混同されやすいが、それらとは全く異なる。
突風の一種で、規模が小さく寿命が短い割に、猛烈な風を伴うのが特徴。地上で強い竜巻が発生すると、暴風によって森林や建物などに甚大な被害をもたらすことがあり、災害をもたらす典型的な気象現象の一つとされている。
竜巻の水平規模は平均で直径数十メートル、大規模なものでは直径数百メートルから千メートル以上に及ぶ。その中心部では猛烈な風が吹き、ときには鉄筋コンクリートや鉄骨の建物をも一瞬で崩壊させ、大型の自動車なども空中に巻き上げてしまうことがある。1ヶ所に停滞するものもあるが、多くは積乱雲と共に移動する。その移動速度は様々で、まれに時速100km/hを超えることもある。


出典:『竜巻』(ウィキペディア 最終更新 2015/3/23 17:44)下線は管理人による改変

竜巻とトルネードと同じ現象ですが、日本で一般的には竜巻と呼ばれるものには塵旋風(せんじんぷう、もしくは旋風、つむじかぜなど)もあります。

https://www.youtube.com/watch?v=JnNgPN0ybEg

サッカーをしている子供の目の前で旋風が発生しています。(入道雲がないので、たぶんトルネードではありません。)長野県で撮られた動画ですが、信越放送SBCのニュースを載せていますので(問い合わせしてみたので)近いうちに消えるかもしれません。

塵旋風では、人的被害があったという報告は日本ではなさそうですが、トルネードは日本でも死者がでることがあり、気をつけなくてはいけません。

竜巻、トルネードの発生と予測

竜巻は、発達した積乱雲(スーパーセルと呼ばれる)から突然発生します。そのため、台風と違って準備をする時間がありません。また、平地で発生するために人口密集地などで発生することがあり危険です。

これは日本で撮影されたものですが、素人目には予兆がわからない状態から数分のうちに竜巻の形になっています。

アメリカで最大クラス(F4かF5)のトルネードが発生する様子を捉えたビデオです。分厚い積乱雲の中から竜巻が出来てくるのですが、まず雲が変形して徐々に伸びてきています。撮影者が異常に気づいてから、「竜巻」になるまで2~3分しかかかっていません。

急激に発達するため事前の予測は難しく、予報はありますが精度が高いとはいえません。

 

各年の竜巻注意情報の精度(2012年5月11日、気象庁作成)

  2008年 2009年 2010年 2011年 2012年

的中率
(風速20m/s以上の的中率)

9%
(22%)
5%
(31%)
5%
(28%)
1%
(19%)
6%
(60%)

捕捉率
[F1以上に限った場合]

24%[31%] 21%[67%] 34%[63%] 21%[20%] 44%[100%]
発表数 172 128 490 589 67
発生数
[F1以上に限った数]
70
[13]
34
[6]
67
[8]
39
[5]
9
[2]

 

気象庁が2012年に発表した近年の予測精度です。2012年の数字が非常に高いですが、予測精度が上がったというよりはたまたま良かった時点で資料を作ったように見えます。2011年は600回近く発表して、的中したのは6回、さらに80%は予報を出せていません。

アメリカでは、州ごとの平均年間発生数が出されていて、北部の東西海岸沿い以外は毎年ある程度発生しています。

気象庁ウェブサイトより

 

竜巻の被害

2013年にアメリカオクラホマ州で発生した過去最大級の竜巻の映像です。日本ではこれほどの規模が発生したことはありません。

日本で起こった過去の最大トルネードはスケールF3です。こちらは、気象庁の出している報告書に載っている画像です。 気象庁のウェブサイトでは、アメリカと数の比較をしていてF1、F2、F3の比は日本もアメリカも同じように見えますので、日本でも今後総数が増えてきた場合には、上記動画のようなトルネードが起こらないとはいえません。アメリカの統計ではもっとも弱いF0が60%、F1は28%、F2が9%、F3は3%の割合で発生しています。それ以上の破壊力があるF4とF5は合わせて1%未満になっています。

気象庁(http://goo.gl/sG6yxm)より転載 気象庁(http://goo.gl/sG6yxm)より転載

これらの写真は、「竜巻」と分類されるものの中では弱いF1ですが、日本でも年間5~10件以上発生しています。これでも、ブロック塀が倒れたり、コンテナーを転がすことがわかります。これより大きいものでは、住宅を破壊したりします。気象条件が異なるため、巨大竜巻の可能性が同じとはいえませんが、最近茨城や埼玉などで起きた竜巻の被害では、(https://www.bing.com/images/search?q=竜巻+茨城)、アメリカのトルネードより弱いにしても死者もでており危険です。

 

トルネードに気づく

アメリカ

アメリカの場合、頻発地域には警報機があって鳴るのですが場合によっては聞こえづらいかもしれません。

車内で録音している動画ですが、大音量で音楽を聞いていたら聞こえないと思います。テレビ・ラジオでは地上波なら警報が鳴りますが、一日中付けておくわけにはいきませんので、他に対策が必要です。

信頼性が高いと思われるものは、"tornado radio"といわれるカテゴリーの製品です。

頻発地域でなければちょっと手を出しづらいですが、停電しても電池で動作するので安心ですし、音量も夜中に起こしてくれるくらいはありそうです。上の商品と同じ機種に見えるラジオが動作している様子です。

信頼性がだいぶ落ちますが、スマートフォンのアプリを利用する手もあります。アメリカ赤十字が作ったTornado(リンク先赤十字公式サイト)というアプリがAndroidiPhone両方で使えます。AndroidではこちらのSimple Weather Alertのほうがシンプルで人気が高いようです。赤十字のものは、マップで進路を見られたり近場の避難場所を出してくれる機能がついています。ただ、いずれもインターネット接続を利用しているので、作動しなかったというレビューもあります。警報の音量が携帯に依存しますので、これで目が覚めるかは分かりません。

赤十字のものは、高機能に見えるのですが試しに起動して見たところよくエラーでとまります。Simple Weather Alertのほうがサイレントモードの無視などの設定があるので警報としては高機能です。(ただ、テストボタンがないのでちゃんと動作するのか不安です。)無料アプリなので、バッテリーに問題がなければ入れておこうと思いますが、有料版を購入しないと場所のトラッキングができないのと、登録地点が1箇所(有料版は複数登録可能)だけです。赤十字のものは、無料です。

日本

日本では、トルネードの被害がアメリカと比べて少ないのであまり整っていません。ウェザーニューズの有料会員になると、「竜巻アラーム」というものをメールで受け取ることができるサービスがあるようで、最近の関東地方での竜巻被害の際にも配信されていたようです。

 

トルネードを避ける

ネットにアップロードされている動画ではいつも昼間なのですが、夜間に起こらないわけではなく、動画が少ないだけです。夜間のほうが、見えないのでより危険だと思われます。

真っ暗でどこにトルネードがあるのか、よく分からなくなっています。

あちこちのウェブサイトで学んだ結果によると、

ここのタイトルは「逃げる」ですが、逃げるのは現実的ではありません。「避ける」必要があります。

トルネードは最大70マイル時=時速112kmで移動しますので、逃げることはよほど何もない場所でなければ不可能です。逃げるよりも、近くに下記の隠れる場所があればそちらを優先すべきです。数秒トルネードを観察して、進行方向と逆に車で走るようにします。移動方向が変わることがあるので時々観察が必要です。また、瓦礫が飛んでくるようになったら、直ちに隠れるようにとされています。

 

台風と違って被害を及ぼす半径が小さいので、避けられる可能性は運よく避ける方向の道路があれば、あると思います。どこかに、「風を背に受けて走れば安全」と書いてあったのを見たことがありますが、間違いだと思います。それは、

北半球では90%の竜巻は反時計回りに回転しますが、進行方向は分かりません。変わる場合もあります。トルネードのどの位置にいたとしても、風の方向からは進行方向を感じることは出来ません。また、遅いトルネードでなければ車でも逃げられません。

 

トルネードから隠れる

アメリカのトルネード警報は、注意(WATCH)と警報(WARNING)があります。WARNINGは日本語訳では「注意」という意味もありますが、この場合の意味は「ただちに隠れろ」です。WATCHの場合には、避難場所を考えたり、ラジオをつけたり、念のために携帯を充電しておくとよいと指導されています。

アメリカの頻発地域では、避難用の地下室やシェルターを設けているところがありますが、頻発地域でなかったり借家・売家では無理です。

公共の場所では、病院やスーパー、ショッピングセンターのトイレ・階段室などにこのようなサインが掲示されています。決められたものではなく、文字・デザイン・色はさまざまです。"severe weather"もしくは"tornado"と書いてあります。赤や黄色が多いと思いますが、緑の場合もあります。
CC BY by Jeff Attaway (http://goo.gl/R9tnVG)

ShelterやAreaと書いてあるのですが、この表示がある場所からといって安全基準を満たしているわけではなく、公共施設の管理者に安全性が比較的高い場所を掲示するように指示しているためにそこを「shelter」と表現しているだけで比較的まし、という意味なのだと思います。(参考:『Tornado Protection』FEMA:アメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁)

FEMAの資料(参考:『How to prepare tornado』)によると、一定の建築基準を満たした部屋(FEMA room)やシェルター(ICC500 shelter)は安全であるとされています。

専用の部屋でなくても、頑丈な建物内には安全性が高めの場所があり、そこが上記のような標示になっていると思われます。このエリアでは、出来るだけ体を飛来物から守るように遮蔽物を探し(クッション、寝袋、なんでも)、屈んで丸まり頭と首を腕でカバーしてじっとしていること、となっています。標示が見つからない場合は、窓から数えてできるだけ壁の枚数が多く、出来るだけ狭い場所(大抵はクローゼットやバスルーム)を一階、できれば地下に見つけてそこに隠れること、となっています。窓はあけてはいけません。あけると、風が入り込み天井などを破壊されやすくなるようです。

また、可能なら机なども使って隠れるように、ということとあればヘルメットを着用するように勧めています。

FEMAでは、自動車内にいた場合に、外に出て地面のくぼ地に隠れるか、車の中にいたほうがよいかはまだ分からないと書いています。RV車やキャンピングカーは危険なため、車外へ出ます。セダンやミニバンの場合には、安全な建物がなければ車内にいたほうが生存率が高いという報告もあるようで、2007年の赤十字のガイドラインでは、出来る限りトルネードを避けるように走り、出来れば安全な建物を探して、もし瓦礫が飛んでくるようになったら、セダンやミニバンでは残ったほうが外に出るよりは安全とされているようです。(原文は見つけられませんでした。)ただ、National Weather Serviceのガイドは車ごと飛ばされて転がって重症を負うケースが多いことから、推奨していないようです。

1991年にニュースクルーが陸橋の下に隠れて助かった動画が広まったために、まねをして亡くなる人がかなりいるそうですがそのような場所では風がより強く吹き瓦礫の速度が増すこと、場合によっては全方向から風が来るため危険だそうです。砂粒でも死の危険があるから避けろとのことです。参考ウェブサイトでは、1999年の例(オクラホマ州で橋の下にいた人だけ3人亡くなった)を挙げて説明しています。1991年カンザス州の例は、トルネードが弱く橋を直撃しなかったためではないかと推測しています。(参考:National Weather Service

日本の状況は違うから陸橋の下でも良いのではと説明しているウェブサイトがありましたが、その通りかもしれませんし、今のところデータが出るほど竜巻がないと思いますので分かりません。

車内に残る場合には

  1. 橋や陸橋の上下は避ける
  2. 大きくて重いものが近くにある場所は避ける(飛んでくるので)
  3. エンジンをかけたまま
  4. パーキングブレーキをかけ
  5. シートベルトをした状態で
  6. できれば頭を何かでカバーし
  7. 窓ガラスより頭を下げて
  8. トルネードから離れようとしてはいけない

(おそらく、巻き込まれてしまうような場合は移動速度が速いことが多いので逃げる=いつまでも危険に曝される、ということと、飛ばされたり危険が増すのだと思われます。)

外に出る場合には、

  1. 橋や陸橋の上下は避ける
  2. 大きくて重いものが近くにある場所は避ける(飛んでくるので)
  3. できるだけくぼ地もしくは低地に行き
  4. 頭を腕で守って
  5. うつぶせになる
  6. 目をじっと閉じて目にごみが入るのを防ぐ(砂粒でも失明のリスクがある)
  7. NESECによると地面すれすれは風が吹かない
  8. くぼ地が深い場合には仰向けのほうが安全

この項目の参考資料:『How To Survive A Tornado: Plan Ahead, Avoid Debris』(NPR:ナショナルパブリックラジオ)、『How to Survive a Tornado While Traveling』(防災グッズ店)

 

日本の情報

日本では、今のところ発生が少数であるため、あまり情報は多くありません。

気象庁のウェブサイトにまとまっていて、子供用の啓発ビデオ『防災啓発ビデオ「急な大雨・雷・竜巻から身を守ろう!」』(6分:被害編、12分:解説編)もあります。僕も知らなかったことがあったのでちょっと長いですが一度見ておくとよいでしょう。(フラッシュプレイヤーで作成されています。古いバージョンのフラッシュプレイヤーは危険なので古いものが入っているかどうか公式サイトで確認してみてください。FlashFoxなどはこれでは判定できません。)

アメリカと大きく違うところは、集中豪雨で水没しやすい場所が多いことでしょうか。

気象庁作成リーフレットより気象庁作成 気象庁作成リーフレットより気象庁作成

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