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アメリカと日本、都会と田舎町の違い

秋の車と木々が並ぶ通り。

アメリカ留学中に私が住んでいた地域は、よく「田舎だ」とは言われていましたが、今から考えると「大いなる田舎」というほどではなく「程よい田舎」と言える場所だったと思います。

都会か田舎かの定義は人それぞれで、感じ方には個人差が大きいです。これは、アメリカでも日本でも同じです。

現代アメリカはヨーロッパの植民地から始まった国なので、旅行で訪れたヨーロッパの田舎町はアメリカの田舎町と建物の雰囲気が似ていました。しかし、歴史が大きく異なるため、アメリカの田舎町での生活は独特で日本の田舎と比べても大きく異なると思います。

アメリカの田舎町は、日本と比べると交通網が整備されており、商店なども豊富です。急激に発展した国家であるアメリカの特徴だと思います。

目次

都会と田舎、ほどよい田舎

アメリの「田舎」と言われる地域に住んでいましたが、日本での「田舎」とは大きく雰囲気が違いました。

住んでいた地域は、よくアメリカ人にも「田舎」と言われるし、日本の街と比べると確かに田舎ですので、「田舎に住んでいる」と信じていましたが、よく考えると本当のド田舎ではなく「程よい田舎」レベルの大きめの町だと思います。

都会と田舎

「都会」と「田舎」といわれれば、何となくイメージがわきますが、辞書で調べてみます。

インターネット上で気軽に見られる「Wikitionary日本語版」によると、

  • 都会
    • 人が多数住み、行政府があったり、商工業や文化が発達していたりする土地。都市。みやこ。
  • 田舎
    • 都会から離れた地域。
    • 生まれ故郷、出身地。
    • (他の語に付いて)いやしい。洗練されていない。素朴だ。

と定義されています。田舎の定義は結構あいまいですが「都会から離れた素朴な地域」と考えておけば良さそうです。

日本での都会、田舎イメージ

日本での都会、田舎がどの程度の場所を指すのかというトピックも、昔からよく議論されて、今でもいろいろな意見があるようです。良くまとまったサイトがあったので軽く紹介すると、

  1. 東京に近い都市が都会
  2. 東京と大阪以外は田舎
  3. 3大都市・都市圏が都会
  4. 地域の中枢を担う都市が都会
  5. 政令指定都市が都会

などと言われるようです。(上記リンク先、「トシカタ」)

ネットで検索してみると、横浜や神戸という意見も結構ありました。確かに横浜も神戸も都会だとは思いますが、私のようにそこを生活圏にしない人間から見れば、関東大都市圏、近畿大都市圏の一部(リンク先、Wikipedia)として「東京」「大阪」と挙げた中に横浜、神戸も含まれていると感じます。

私の個人的な印象では、

  1. 東京
  2. 大阪
  3. 名古屋
  4. 仙台
  5. 札幌
  6. 福岡
  7. 京都

が都会と思います。見事に旧帝大の場所と被っていますが、明治時代から人を集めるハブとして認識され、整備されてきたという意味はそんなものかもと思いますし、日本の大学で過ごした期間が長いせいだとも思います。

このように、どこを都会と感じるか、その人の生活圏によって大きく異なるのがわかります。極端に言えば、私がアメリカで住んでいた田舎町も、さらに郊外から出てくる人にとっては「都会すぎて困る」と言われたことがあります。

アメリカの都会イメージ

アメリカの都会といえば、ニューヨーク、ロサンゼルス、シカゴが先ず挙げられます。

他に、ボストン、フィラデルフィア、サンフランシスコ、ダラス、ワシントンDC、シアトル、フェニックス、アトランタ、デンバー、コロンバス、シンシナティ、マイアミ、ホノルル、ミネアポリス、ダラス、などを思いつきますが、例えばシンシナティなどは人口が30万人程度ですし、アトランタも50万人程度で、日本の政令指定都市よりもかなり少ないです。

日本の田舎

夜の日本を宇宙から撮影した写真を見てみると、夜間に人が活動している場所と、人がいない場所がわかります。

先ほどのWikitionaryにあったように、都会から離れた場所が田舎で、都会は「眠らない街」と考えると何となく納得できます。

光がない場所は森、まばらな場所が田舎町と言えます。

が、目立つところでは「高知」は都会リストからは外れていて、かつ「都会」から離れているので「田舎」の定義になりそうですが、結構光が集まっています。

高知市のドローン空撮動画を見ると「田舎だ」と言いきれないサイズの街です。

このあたりは、「程よい田舎」と呼んでよい地域なのかもしれません。

アメリカの田舎

一方、アメリカの夜を撮影した画像を見ると、右半分弱の東部に光が集中していて、左側の中部から西部にかけては光がまばらです。

西海岸は、サンフランシスコ(一番左)やロサンゼルス、フェニックスといった都市圏が目立っています。

サンフランシスコとロサンゼルスの間はまばらに光が集まっているのがわかりますが、この隣り合った都市は600km以上離れていて、東京~大阪間よりも遠いです。

サンフランシスコ~ロサンゼルス間にある代表的な都市はカリフォルニア州フレズノ市です。

フレズノは人口50万人超でアメリカの「都会」として挙げられる都市よりも人口が多かったりしますが、それでも「都会」とは呼ばれないので、フレズノ市や、それより小さいけれど少し目立つ都市は「程よい田舎」と思っておけば良さそうです。

都市間の道路沿線にある光が少し集まっているところは、ほとんど人が住んでいない田舎です。

日本とアメリカで、「田舎」の違いは?

アメリカの「田舎」について一般的な認識は、カンザス州やネブラスカ州、そしてアラスカ州といった地域を指すことが多いようです。

カンザス州とネブラスカ州はアメリカの中央部に位置しており、夜間の衛星写真で見ると道路が分布していますが、光の集まる場所はまばらで、光も弱く表示されます。アラスカ州にいたっては、アメリカの夜景空撮画像に映っていません。

他方、ワイオミング州なども田舎とされますが、アメリカの地理を勉強したことのない人々には知られていないと思います。私もアメリカに留学するまで「ワイオミング」という単語を聞いたこともありませんでした。

アメリカの中部から西部にかけて広がる地域は、集落もほとんど存在しない森林や山岳地帯、砂漠地帯が多く、「田舎」というよりは「辺境」や「未開拓地」と表現する方が適切かもしれません。

アメリカの田舎のイメージ。人はいない
アメリカの田舎の風景

これらの自然豊かではあるけれど人がほとんどいない場所ではなく、人々がある程度生活している場所を考えた場合には、日本で「田舎」として思い浮かべる風景とは大きく異なります。

日本の田舎の風景、人の手が多く入っている
日本の田舎町

日本の田舎の方は人の手が入った田園風景で、写真の町だとそこそこ人が住んでいます。アメリカにも田園風景と言える場所はありますが、日本と異なり、地平線まで同じ田畑が続いていて人はどこかにいるはずだけれどわからない状態になって人はほとんどいません。

アメリカで田舎町というと、だいたい下の写真のような感じです。アメリカに住んでいたことがあれば、「あー、こういう場所あるよね」と思うはずです。

アメリカの田舎町
アメリカの田舎町

このくらいのアメリカの田舎町だと、日本の田舎町と人工的には似たり寄ったりです。が、写真で見てもわかる通り、日本の田舎のよりもアメリカの田舎の方が、インフラが整っています。

  1. 高速道路ないし幹線道路が走っていて出入口がある(=インターチェンジがある)
  2. 最低限、レストランとガソリンスタンド、マーケットがある

のが特徴です。

道路や空港が整備されている

アメリカは日本ほどは公共交通網が整っていません。代わりに、道路網が整備されており、国土が広いので航空機での国内移動も盛んです。

田舎はバスや電車などの公共交通機関が発達できていないため、自家用車での移動がメインです。

車社会という点では日本の田舎も同じですが、アメリカは田舎でも町を外とつなぐ高速道路なり幹線道路なりがしっかり整備されていることがほとんどです。

アメリカでは遠くまで直線的に続く州間高速道路(インターステートハイウェイ)が張り巡らされていており、ほとんどが無料で通行可能です。そのため、「インターステート」、「ハイウェイ」、または「フリーウェイ」とも呼ばれます。

インターステート以外のハイウェイ、フリーウェイも存在していて、町とインターステートを結んで町から簡単に長距離移動できるようにしています。

アメリカ合衆国が独立宣言をしたのは1783年で、日本では徳川吉宗の時代が終わった後、平賀源内や田沼意次が活躍した時期です。

その後、西に向かって拡大し続け、カリフォルニア州がアメリカに併合されたのは1848年です。広大な土地を短期間で探検・開拓して結果、移動の中継地点として町が発達しました。

幹線道路の「U.S. Route 66」(国道66号線)が歴史的に最も有名な道路で、イリノイ州シカゴから始まりアメリカ中部の玄関口、ミズーリ州のセントルイスを通ってカリフォルニア州ロサンゼルスまでを繋いでいました。

old route 66
アメリカの旧国道66号線

Route 66の沿線には多くの町が発達しましたが、高速道路(インターステート)が開通以降はRoute 66の沿線の町は人の往来が減り、今ではかなり寂れてしまった集落も多くあります。

Route 66は1985年に廃止されましたが、「66」や「Route 66」は第二次世界大戦後から70年代までのアメリカ文化のアイコンとして今でも使われています。

移動の中継地点として発達した町が、道路とともに寂れて、人は去っていくため、現在でも人が集まる場所は、田舎であっても交通条件が良いか、特別な資源などの魅力などがあります。

このため田舎でも人が住んでいる場所であるなら、道路整備が進んでいることが一般的です。

最低限の施設が整っている

アメリカは日本と比べ、公共交通網が不十分です。その代わり、道路や航空機による国内移動が主流となっています。

アメリカの高速道路は多くが州間高速道路(インターステートハイウェイ)で、ごく一部を除いて通行が無料で利用できるので、フリーウェイとも呼ばれます。

日本の高速道路と異なり無料であるので、インターチェンジから自由に出入りできます。日本のようなサービスエリアはなく、たまに簡易的なパーキングエリアがあるだけです。

サービスエリアがない代わりにインターチェンジから出れば、ガソリンスタンドと併設の売店(コンビニエンスストア:サークルKやセブン-イレブンなど)があり、近くにはマクドナルドやケンタッキーフライドチキン、ウェンディーズ等のファーストフード店やレストランがあります。

高速道路上の看板では、各インターチェンジ付近のガソリンスタンド、レストランなどが案内されているので、一時的に高速道路から離れて用事を済ませた後、また高速道路を利用することができます。

そのため、ハイウェイ沿いにはほぼ確実にこういった施設があります。また小さな町でも、町中や少し離れた郊外にウォルマート等の大規模小売店がある場合が多いです。

アメリカの田舎は住みやすい

ここまで書いてきた通り、日本の「田舎」と異なり、アメリカの田舎は、インフラが整っていて買い物する場所や病院などに困らないことが多いです。

日本から、工業系の仕事で海外赴任する場合は、工場周辺には食事や買い物できる場所もなく交通の便が悪いことがあります。これは、工場だけが何もない場所に建てられることが多いからです。

留学生の場合やその他の目的で渡航する場合、留学先となる大学やカレッジ、研究所などは、多くの人々が集まり生活する場所なので、必要な設備が大学内やその周辺に整っています。なので、ブロードウェイミュージカルのようなエンターテイメントはありませんが、日常困るようなことはなく過ごしやすいところが多いです。

ただ、本記事とは直接関係ないので書いていませんが、アメリカでは市民が武装する権利が認められており、実際に危ないので都会であれ田舎であれ、注意が必要です。

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