消毒薬の代名詞ともいえる「イソジン」ですが、日本でずっとイソジンを販売してきた明治製薬(Meiji Seika ファルマ)が契約から外れ、シオノギ製薬に変わりました。

イソジンといえば、1985年から明治製薬がカバを模したキャラクター、通称「カバくん」をイメージキャラクターとして使っていましたが、訴訟の末、「カバくん」は明治製薬に残るものの、「イソジン」ではなく「明治うがい薬」などとして売られる一方、シオノギ製薬は「カバくん」とよく似た犬のキャラクターを使って「イソジンうがい薬」を販売し始めました。

どちらを使うのが良いのでしょうか?

消毒薬いろいろ

僕が子供のころの消毒薬といえば、「イソジン」ではなくて「ヨードチンキ」や「マーキュロクロム液」、「赤チン」だったのですが、当時もイソジンはうがい薬としてスタンダードだったような気がします。

最近は家庭で使われる消毒薬は、ポピドンヨード(イソジンなど)、アルコール(エタノールやイソプロピルアルコール)、塩化ベンザルコニウム(ヒビテンなど)だと思いますが、うがい薬といえば、やっぱりポピドンヨード、イソジンです。

ポピドンヨードの効果

ポピドンヨードは、茶色っぽい液体として売られています。病院でも消毒薬として非常によく使われていて、WHO(世界保健機構)にも必須医薬品としてエタノール、クロルヘキシジンとともに消毒薬に指定されています。

基本的には皮膚などの消毒に用いられ、患部をきれいにしてから塗布し、乾くまで待ち拭き取らずにそのまま処置をするという形になります。診療科によっては、眼科のPAヨード、歯科のヨードグリセリンのように違う薬剤が使われますが、効果としてはポピドンヨードと同じく、ヨウ素がポピドンヨードから遊離することにして酸化作用を発揮するものです。

基本的には、遊離ヨードができるときに消毒・殺菌作用を持つので、塗布してすぐは消毒作用が効いていないということになります。そのため、目・耳・鼻・口・喉では「乾燥するまで待つ」ということが基本的にできませんが、それらに対しても効果があるはずなので、全く効かないわけではありません。

ポピドンヨードうがい薬?

時々、ポピドンヨードのうがい薬は乾燥できないから効かない、という意見がありますが効かないということはありません。

また、例えば明治の明治うがい薬は添付文書によると、1mL中にポピドンヨード70mg(有効ヨウ素として7mg)と書かれていますので、濃度は0.7%です。これを15倍から30倍に希釈して使うので、0.045~0.023%で口の中に入ります。患部ではもっと薄いかもしれません。

眼科で使われるPAヨードを見ると、有効ヨウ素が0.2%の原液を4から8倍に希釈すると書かれていますので、0.05~0.025%でポピドンヨードうがい薬と同じです。なので、この洗眼液が効くのならポピドンヨードのうがい薬も効果が出るはずです。

ポピドンヨードは皮膚に使われるときには高濃度で塗布されますが、ポピドンヨードの遊離はむしろ濃度が低いほうが早く起こることが分かっています。そのため、乾燥させた状態にできない粘膜面(口やのどなど)に対しては、上のうがい薬などのように、薄い濃度で速効性を期待して使われます。

が、人間の体は無菌にはなりませんし、無理に殺菌を続けると有益な常在細菌もいなくなってしまうので特に目的がないなら、ポピドンヨードを使う必要はないと思います。

効果は、一部の特殊な細菌を除く、細菌、真菌、ウイルスなどすべての微生物で、抗微生物薬(抗菌薬、抗真菌薬、抗ウイルス薬、駆虫薬)などで問題になる耐性菌、耐性ウイルスがありません。(製造時点から特殊な細菌、芽胞に汚染されていたという事例はあります。)

採血するときはなぜアルコール?

病気や健康診断などで採血を受けるときや、予防接種などの注射をする際は、普通はアルコールパッチで消毒します。アルコールは、消毒薬ですが殺菌作用は弱いもので、ポピドンヨードと比べると作用は弱いです。

なぜポピドンヨードを使わないのかというと、やはり使いやすさなのかなと思います。皮膚は無菌ではないので注射部位の細菌を消すことはできませんが、そもそも普通の採血時にはそれほど感染が問題になることはありません。普通ではないときとして、心臓近くに点滴をするための注射や、感染症を見つけるための培養検査、は注射の時に細菌が混入すると問題になるので、ポピドンヨードもしくはクロルヘキシジンが使われます。

イソジンうがい薬か明治うがい薬か?

本題にもどって、シオノギ製薬・ムンディファーマが売り出し始めた犬のマークのイソジンうがい薬か、イソジンうがい薬改め明治うがい薬になった明治製薬のポピドンヨードうがい薬か、どちらが良いのでしょうか?

製造、契約がどうなっているのかわかりませんが、気にされる方はイソジンうがい薬ではなく明治うがい薬のほうが良いと思います。明治が持っていたカバのキャラクター「カバくん」は明治が使い続けることになりましたが、新しい犬のキャラクター、僕にはカバくんと見分けがつきません・・・良いのでしょうか?

ずいぶん前から、厚生労働省の方針で後発医薬品(通称、ゾロ、もしくはジェネリック医薬品)の利用が推進されてきました。これらの後発医薬品は、有効成分は同じですが全く同じではありません。保存料や基剤が違うものですし、製造工場が違う場合が多いので、品質が全く同じとは言えません。製造承認されているので基準は満たしていますが、後発医薬品には商品としての実績はありません。

以前には、特定の後発薬を使っている人の効果が弱いという噂があったような気もします。

そのため、日本でずっとイソジンうがい薬を使ってきた方は、明治うがい薬にするほうが安心感はあると思います。薬剤自体は1956年に開発され、日本では1961年から使われていて特許は切れているので、製造ノウハウなどはたぶん、明治が持っているのではと思います。シオノギ製薬も日本の代表的な製薬メーカーなので、問題があるはずはないですが、気にする方は明治のほうがよいのでは、と思います。

僕は、たいてい安いほうを買う性分なのでブランドはそれほど気にしませんが、製造メーカーが全く聞いたことがなければ避けています。

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