CNNに「The week that changed the nation」というタイトルの記事が出ています。大きな事件が2つ。チャールストンでの教会襲撃事件からアメリカ連合国の旗が販売禁止になっているのと、最高裁判所で同姓婚を認める判決が出たこと。あとは、オバマケアを認める判決が出たことを挙げて国が動いたと言っています。

アメリカ連合国の旗

アメリカ連合国

アメリカ連合国というのは、Confederate States of Americaのことで1861年にアメリカ合衆国から独立宣言をして1865年までの南北戦争を戦った南部連合のことです。アメリカ連合国の国旗をConfederate Flagと呼び、奴隷制度を禁止したい北部と戦争を戦ったことから、奴隷支配や白人優位主義の象徴として扱われています。

エイブラハム・リンカーン大統領が奴隷解放宣言を出したのは1862年のことですが北部の諸州では奴隷制度が以前から廃止されていて、大きな要因のひとつだったようです。

当時、南部と北部との経済・社会・政治的な相違が拡大していた。農業中心の南部では、黒人奴隷労働に依存したプランテーションが盛んで特に綿花をヨーロッパに輸出していた。また農園所有者が実質的に南部を支配していた。イギリスを中心とした自由貿易圏に属することが南部の利益だったため、南部は自由貿易を望んでいた。 北部では急速な工業化が行われており、新たな流動的労働力を必要とし奴隷制を必要としなかった。また、商工業振興のため、保護関税や交通網の整備などが求められ、特に南部に比べて保護貿易への期待が高かった。
南部では、南部の上げた利益が税金などとして連邦に吸い上げられ北部の重工業化などに使われることへの反発があった。一方で、近代化し都市化する北部が人口の面でも政治・経済・文化の面でも南部を圧倒し、やがてアメリカが北部中心の国となることへの恐れがあった。連邦を掌握する北部が次第に州の権利を弱め、奴隷制廃止などに対する南部の抵抗も不可能となり、南部の文化は破壊されるだろうという恐怖が南部に広がった。一方で北部には、南部が奴隷制を維持するだけでなく国内に広げようとしているという警戒心があり、奴隷労働が人々の職を奪うことへの危機感があった。
北部で奴隷制度廃止運動の機運が高まると、奴隷労働を必要とした南部は反発し、奴隷制を巡る合衆国内の対立はしだいに大きくなっていった。
出典:『アメリカ連合国』(ウィキペディア 最終更新 2015/3/9 09:44)下線は管理人による改変

チャールストンの事件

アメリカ連合国の国旗、Confederate Flagはアメリカ連合国の敗北、アメリカ合衆国への復帰後も南部の公共施設などで掲揚されることがあった他、人種差別主義の人たちによって使われていました。

白人男性が黒人教会を襲撃、チャールストン』の事件のDylann Roof容疑者が開設していたらしいウェブサイトでこのConfederate Flagを持つ写真が掲載されていました。今は、ウェブサイトが閉鎖されていてそのサイトでは見ることが出来ませんが、アメリカの公共放送的放送局NPRのページ『Photos Of Dylann Roof, Racist Manifesto Surface On Website』などに再掲されています。

Confederate Flagを禁止する動き

チャールストンの事件後、Amazon.comでCondeferate Flagの売れ行きが激増したことから、Amazon.comやEbay.comなどのインターネット販売業者が販売を停止させました。今Amazon.comで検索すると南北戦争の歴史などを書いた本は出てきますが、国旗自体はなくなっています。アメリカ小売店2位のTargetも削除し、Googleも関連商品を検索できないようにしました。

また、南部の公共施設でConfederate Flagを掲げるのを禁止させようという動きが大きくなっています。(今のところ、成立した州はないようです。) 

掲揚されたCondeferate Flagを無理やり外して逮捕される人も出ています。(参考:『2 Arrested After Woman Removes Confederate Flag from Outside South Carolina Statehouse』ABCnews)

さらに、iPhoneやiPad用のアプリストアApp Storeで、アメリカ連合国の旗Confederate Flagが使用されていることを理由に南北戦争をテーマにしたゲームが削除されたようです。(参考:『Apple、南部連合の国旗を理由に南北戦争ゲーム削除へ』)Googleも

ドイツやポーランドなどのゲームには、ナチスの旗をデフォルメしてぱっと見てもわからないようにしてあって他の国の国旗を見くらべると「ここはドイツのはず」とわかるだけにしてあるものが時々ありますが、これに似たような状況になるかもしれません。

詳しく解説されたページ『GoogleやAmazonなどが次々と南部連合国旗を問題アリとして取り下げた理由とは?』(Gigazine)がありました。

 

同姓婚を認める判決

アメリカ最高裁判所で、2015年5月26日に同姓紺を認める判決が出ました。正確には、「同姓婚は合衆国憲法で認められている権利なので、州憲法などで禁止することは合衆国憲法違反で違法である」とした判決で、9人の判事のうち5人が賛成、4人反対というぎりぎりの判断でしたが、これにより同姓婚が合法化されました。

以前から合衆国憲法で認められそうだ話はあり、今回の判決によって合法化が決まりました。実際に効力を発揮するのは、各州が対応してからかなと思っていたのですが、既に発効している模様です。(参考:『半世紀超の愛実る』朝日新聞デジタル)

これまで認められていたのは、(ウィキペディア『同性結婚』(最終更新 2015年6月27日 (土) 07:48)からの転載)

  • マサチューセッツ州の旗 マサチューセッツ州
  • カリフォルニア州の旗 カリフォルニア州
  • コネチカット州の旗 コネチカット州
  • アイオワ州の旗 アイオワ州
  • バーモント州の旗 バーモント州
  • ニューハンプシャー州の旗 ニューハンプシャー州
  • ワシントンD.C.の旗 ワシントンD.C.
  • ニューヨーク州の旗 ニューヨーク州
  • ワシントン州の旗 ワシントン州
  • メイン州の旗 メイン州
  • メリーランド州の旗 メリーランド州
  • ロードアイランド州の旗 ロードアイランド州
  • デラウェア州の旗 デラウェア州
  • ミネソタ州の旗 ミネソタ州
  • ニューメキシコ州の旗 ニューメキシコ州
  • ニュージャージー州の旗 ニュージャージー州
  • ハワイ州の旗 ハワイ州
  • イリノイ州の旗 イリノイ州

 

の16州(+2) でしたが、これを機に残りの州でも認められます。

この決定が変更されることは基本的にはないはずですが、

最高裁は憲法、立法府の制定した法律、条約の解釈について最終的な判断を下す権限を持っている。ただし、例外的に憲法改正や、場合によっては連邦議会の措置によって、最高裁決定が変更されることもある。
出典:『第1章・連邦司法制度の歴史と組織』(Embassy of the United States in Japan)

 だそうなので、議会で決議されればあり得るようです。

 

オバマケア

オバマケアは、バラク・オバマ大統領が成立させた、「Affordable Care Act」(手の届く医療法)の通称です。これを巡りいくつかの裁判があり、2015年6月25日に大きな裁判がすべて終わったようです。

オバマケアが定めている取引所(Healthcare.gov)で保険を購入した場合、公費から補助金を出ます。しかし、法律で定めている取引所を開設していない州は16しかなく、残りの州は独自の取引所を作っていました。これらの「非公式」取引所で保険を購入した場合に補助金をだすのが違法ではないかという訴えが棄却されました。

This was the last significant legal threat to Obamacare. Now the fight shifts to the political battlefield.
出典:『Inside the Supreme Court's Obamacare ruling』(CBS News)

オバマケアに反対する人は多くいるので、これから大統領選挙に向けて、また何か議論が出てくるようです。

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