Justice Dept. report slams Philly police』というニュースが出ていたので読みました。「司法省がフィラデルフィア警察を批難」という内容なのですが、指摘されているのは、警察官による発砲事例のうち警察の判断が誤っていたと思われるものが1割以上あることと、警官のトレーニング不足、の2点でした。ニュース元はいつもお世話になっているCNN.comですが、各地の新聞・ニュースに多く転載されていました。

警察の発砲事例への批判内容

記事の元になった、司法省の報告書は読んでいないのですが、記事から分かることは

  • 2007年から2014年の間のフィラデルフィア市警察による発砲事例は394件
  • 15%は警察が「被疑者が武器を持っている」と誤認して射撃
  • 34%は警察のthreat perceptionの誤りによる射撃
  • 警官へのトレーニングが不十分
  • 発砲事例の分析が欠如している
  • 射殺した警官も、十分な検証がないまま3ヶ月で武器を再度携帯

といった点が批難されているようです。

threat perceptionは、なんとなくニュアンスは分かる気がするのですが、いまいちよく分からない言葉です。

means develop understanding about a danger, that may be faced by you sooner or later giving a prediction, after observing the cruciality of circumstances, that might, your foe can invade you,after having some clues or gestures from the side of your adversary


出典:『Definition of threat perception?』(Answers)

目の前の状況からの危険予測、というような感じでしょうか。

どういうことかというと、警官が危険に対応する方法を勉強、トレーニングしないので、すぐに撃つ、ということのようです。たとえば、今月ニュースになっていた、カリフォルニア州ロサンゼルス市のホームレス射殺のような事例を指していると思います。ホームレスが警官の銃を奪おうとしたと警察は言っているようですが、目撃者はそうではなかったと言っていますし、撮影された動画では素人目には分かりません。(参考:『Fatal L.A. Police Shooting Will Test Body-Camera Use』ウォールストリートジャーナル、動画リンクあり)

 

フィラデルフィアって?

フィラデルフィアは、日本から留学する人も多くいる、東海岸の大都市のひとつです。ニューヨーク市から近く、車で2時間程度です。

フィラデルフィア(英語: Philadelphia)は、アメリカ合衆国ペンシルベニア州南東部にある都市。ペンシルベニア州最大の都市かつ北米有数の世界都市である。市域人口は151万7550人(2000年国勢調査)で全米第5位。都市圏 (MSA) の人口は5,687,145人で全米4位、広域都市圏の人口は6,207,223人で全米7番目の規模である。 同市は名門ペンシルベニア大学や工学系に強いドレクセル大学、日本にもキャンパスを置く、州立大学のテンプル大学を抱えるなど学術都市でもある。市域内に約12万人、都市圏全体では約30万人の学生を抱える、全米でも最大の学生人口を持つ都市のひとつである。 なお、フィラデルフィア都市圏の治安は概ね良好であるが、デラウェア川の対岸、ニュージャージー州カムデンはデトロイト、セントルイスなどと並んで、全米で最も危険な都市のひとつである、とされている。


出典:『フィラデルフィア』(ウィキペディア 最終更新2014/12/27 03:30)を改変しています

人口は東京都市圏、大阪都市圏よりもだいぶ少なく、名古屋都市圏ぐらいです。ウィキペディアに出ている「最も危険な都市のひとつ」というのは、市外なのでフィラデルフィア市警察の管轄ではないです。

また、大学が多いので大学内は多くの場合大学警察がありますので、これも市警察とは関係しないはずです。検索したら古いYahoo!知恵袋の記事があって、大学警察は警察とは違う、ような回答があるものが上位に出てきましたが、大学警察は、市の警察と同列のはずです。

カリフォルニア州の場合、以下のような法執行機関がある。

  • 司法省(Department of Justice)違法薬物、不正医療行為、集団犯罪をはじめ、様々な捜査活動を行う。
  • 州立大学警察(University of California Police)大学構内で警察活動を行う。爆発物処理班もある。
  • 大学警察(State University Police)統一された名称を持つが、組織は大学毎に異なり、大学構内で警察活動を行うが、警備員のみの組織もある。
出典:『アメリカ合衆国の警察』(ウィキペディア 最終更新2015/1/16 05:23)

大学内に爆発物処理班なんて必要なのでしょうか・・・。僕がいる大学でも、大学警察は拳銃を持っていますが持っていない警備員もいるので、いろいろ複雑です。

ペンシルベニア大学警察とテンプル大学警察の犯罪レコードを見ると、2週間あまりで併せて強盗10件以内、武器による暴行数件、なので大学内はものすごく危険というわけではないと思います。ちなみに、平和だと僕は思っているうちの大学の犯罪レコードを見ると、警察によって少しずつ犯罪の定義が違いますが、3ヶ月で強盗2件でした。

大学内ではそれほど警官による発砲はなさそうですので、前述の394件は大体市内全域での警官による発砲件数に近いかもしれません。

 

フィラデルフィアの危険地域

アメリカの都市は、どこでも必ず、危険なエリアとそうでもないエリアに分かれます。フィラデルフィアの場合には、北部が危ないようで、こんなエリアがあるようです。

CC BY-NC by Chris Goldberg (http://goo.gl/RN0DQy)

駅のホームには「この駅への訪問は列車・車を問わずお勧めしません。」という看板が立っています。
写真家ジェフリー・ストックブリッジは警察でさえ怖くて行きたくない場所としても有名なこの街に生きる人々の顔と言葉を記録しました。

 

出典:『警察もビビるほど治安が悪い街-北フィラデルフィア/ケンジントン』

報告にある、394件のうち何件がこういった危険地域で起こったものかは書いていないのでわかりませんが、多そうな気がします。

 

警察への銃犯罪

アメリカは銃による犯罪が多いので、警察だけを責めてはいられないと思います。警察官の殉職も日本と比べて多いからです。最近も、ファーガソンで警官が二人撃たれた(関連記事『オクラホマ大学人種差別事件と、ファーガソン事件』)り、昨年末にはニューヨークで警察官が射殺されてニュース(『NYで警察官2人が射殺される 28歳容疑者は自殺、ネットに警察非難の投稿』)になっていました。フィラデルフィアでも今月(2015/3)、職務中の警官が強盗現場に居合わせて射殺される事件があったようです。(『Philadelphia officer shot to death while buying a gift for his son』)

ただ、警察の銃による殉職自体は全米で月に数人のようです。参考:『銃による警官の殉職者数~アメリカ編~』(2009年データ)

 

「武器を持っている」と誤認、どうすれば?

最初のCNNの記事に戻ると、一番気になるところがこの、警察官が武器を持っていると「思って」撃ったというケースです。調査期間内に60件程度あるようですが、ここにファーガソンの事件のようなものが含まれるかは分かりません。

気をつけないといけないのは、記事にも出ているように、

movements which led police to believe a potential suspect had a weapon such as reaching for their waistband, but turned out to be unarmed.

腰に手を当てるような仕草をすると、危険であるということです。最近、何の気なしにホルスター型携帯ケースを買ってしまったのですが、そういうものを持つのは危ないと思います。こういうものです。

CC BY by Bryan Alexander, modified (http://goo.gl/4M5nkV)

こういうものをつけていなくても、

CC BY by Ibro Palic (http://goo.gl/KaouXa)

服の内側に隠れるホルスターがあるので、腰に手をやると危ないと思います。

ということで、

  • 警官と目が合ったらにっこり笑って敵意がないことを示す
  • ポケットにものを詰め込みすぎない
  • ポケットにできるだけ手をつっこまない
  • ベルトあたりに手を置かない

というような自衛策はありますが、手を上げていても、怖い顔をしていなくても撃たれている動画が多くあるので、警察官がピリピリしているようなエリアを避けることしかないかも知れません。(関連記事『警察官による射殺事件、ダラス郊外』)

ただ、この手の被害のニュースでは記憶にある限り、日本人を含む東アジア系を見たことはない(昨年か一昨年かに、中国人が射殺された事件はありましたが詳細は忘れてしまいました)ので、現実的な危険は高くないと思います。

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