数日前になりますが、毎日新聞ニュースに『3大都市圏:私大の学生数抑制へ 文科省、定員超過厳格化』(2015/2/22、リンク先が非公開になりました)というものが出ていました。現時点(2015/2/24 22:10JST)でツイート、Facebookともに250以上、はてなブックマーク30超と話題になっているようです。

対象となるのは、首都圏(東京都、埼玉、千葉、神奈川)▽関西圏(京都、大阪、兵庫)▽中部圏(愛知県)の私立大。2014年度の私大入学者は、首都圏20万4287人▽関西圏7万6677人▽中部圏2万9206人。この3大都市圏で計約31万人に上り、全私立大の入学者の6

5%、国公私立合わせた入学者のおよそ半数を占める。(出典:前出の毎日新聞)

 

検索すると、朝日新聞(2014/11/30)と産経新聞(2015/2/2)にも似たような記事が出ていました。

大学の入学定員に対して認められている超過入学者の数を減らそうという話です。理由は、地方の過疎化防止のためとのことです。

大学定員を厳格化

要約すると

  • 安倍晋三首相の地方創生政策の一環で、地方の過疎化に歯止めをかけるため
  • 今まで収容定員に対して120%(収容定員8000人以上)、130%(同未満)を超えて入学させた場合に大学への交付金をカットしていた(数年で徐々に厳格化してきていた)
  • 入学者数の制限をそれぞれ110%、120%に厳格化する
  • 3大都市圏(東京、埼玉、千葉、神奈川、大阪、京都、兵庫、愛知)人口比47%に対して学生数75%(朝日新聞)
  • 3大都市圏(東京、埼玉、千葉、神奈川、京都、大阪、兵庫、愛知)私立大に限ると65%、国公立含めて約半数(毎日新聞)

なぜ定員以上入学するのか

大学の入学者数が、なぜ定員より多くなるのかについては、大学受験情報のサイトに詳しく書いてありました。

本誌の「基本調査データ」の学部別データには入学定員、合格者数、入学者総数がある。それぞれの数字を見ると、多くの大学で入学定員の数倍もの合格者数を出しているのがわかるだろう。私立大学では入学定員の3倍の合格者数はざらだ。中には5倍も出している大学もある。 なぜ、入学定員に対して、これほど多くの合格者数を出すかというと、併願している受験生を見込んでいるからだ。つまり、合格しても、他の第一志望の大学に合格すればそちらに入学する受験生がそれだけいることを、大学が予測しているためだ。 もしも、下の図の私立C大学が、入学定員(200名)と同じ合格者数しか出さなかったら…。合格者数のうち5人に1人しか入学しない状況なので、入学者は約40 人となる。そうなれば、入学定員を大きく割れてしまう。

(出典:大学受験パスナビ

補欠合格させることもできるとはいえ、致し方ない面も大きいですね。

ニュースのデータ

報道にあったデータに関して、揚げ足を取ろうというわけでは決してないのですが、職業病なのかデータの数字を細かく見てしまいます。朝日と毎日の数字が違いすぎます。朝日新聞には情報の出所(学校基本調査)が書いてありますので、公開されている情報(学校調査→大学・大学院)を見てきました。

表7:都道府県別 学校数及び学生数を見ると、

 

  • 7都府県/全国の学生数(平成26年度)1,868,740/2,855,529 (65.4%)
  • 同国立大学 220,061/612,509 (35.9%)
  • 同公立大学 57,901/148,042 (39.1%)
  • 同私立大学 1,590,778/2,094,978 (75.9%)

で新聞の記事と数字が違いすぎます。ただし、これは大学院生を含むと書いてありました。

次に、表8:都道府県別 学部学生数を見てみます。

  • 7都府県/全国の学生数(平成26年度)1,679,655/2,552,022 (65.8%)
  • 同国立大学 61,905/447,338 (31.7%)
  • 同公立大学 16,794/128,878 (38.5%)
  • 同私立大学 393,366/1,975,806 (75.4%)

データの見方が悪いのか、近い数字にもなりませんでした。毎日新聞のデータは「入学者」なのでこの調査から出したものではないのでしょう。朝日新聞は・・・、ひょっとして私立のデータを取ったのかもしれません。そのようには読めなかったのですが、

文科省の学校基本調査によると、東京、埼玉、千葉、神奈川の4都県の私立大、短大、大学院は全国の学生数の48%を占める。大阪、京都、兵庫の3府県と愛知県を加えた3大都市圏でみると、総人口比47%(2013年)に対し、学生数は75%にのぼった。(出典:『私大の定員超過抑制へ 文科省検討、大都市で助成厳格化』朝日新聞)

よく読むと、私立大、短大、大学院かも知れません。ただ、私立大と短大、大学院をひとくくりにするのはどうかと思います。短大は、

  • 7都府県/全国の学生数(平成26年度) 65,521/136,534 (48.0%)

大学院のデータは、

  • 7都府県/全国の学生数(平成26年度)153,190/251,013 (61.0%)
  • 同国立大学 71,198/150,336 (47.4%)
  • 同公立大学 10,268/16,071 (63.9%)
  • 同私立大学 71,724/84,606 (84.8%)

私立学部生、全国短大、全国大学院を合わせると、1809489/2482525 (72.9%)と確かに75%近い気はしますが、母数からすると大学学部生のデータに引っ張られています。

それにしても、国立大学の大学院生数は学部生よりも7都府県の数字が高いです。東京大学、京都大学・大阪大学への科研費の配分割合を考えたら、こんなものかもしれません。7都府県外にある、北海道大学、東北大学、九州大学にも頑張ってもらいたいところです。

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