2015年9月27日から28日にかけて、アメリカだけではなく世界各地で「ブラッドムーン」が見られたようです。

スーパームーンの皆既月食は1982年以来で33年ぶりです。当時はスーパームーンと読んでいなかったと思いますが、珍しいことには変わりありません。次は18年後の2033年だそうです。

皆既月食

皆既月食は、月が完全に隠れることで英語ではtotal lunar eclipse(total=全部、lunar=月、eclipse=食・欠ける)なのでそのままですが、日本語の皆既月食・皆既日食という言葉の「皆既」は他の用法を見たことがありません。

他のサイトで、調べた方が居られました。

広辞苑第五版によると
かい-き【皆既】(「既」は尽きるの意)

だそうです。ぜんぶ尽きるから皆既。

でなんで「既」が「尽きる」という意味かというと
こちらは漢字源によれば

旡(キ)は、腹いっぱいになって、おくびの出るさま。既はもと「皀(ごちそう)+音符旡」で、ごちそうを食べて腹一杯になること。限度まで行ってしまう意から、「すでに」という意味を派生する。

とのことで、そもそも尽きるとか尽くすという意味だったものが
あとから「すでに」になったみたい。
出典:『皆既日食の「皆既」とはどういう意味か』(サイト「頭ん中」)

皆既日食は、体験したことはありませんが一時的に夜のようになって気温が下がります。皆既月食ではそもそも夜なのでそのようなことはありませんし、月が見えなくなるわけではありません。

月食の仕組み

月が光り輝いているのは太陽からの光を反射しているからです。月食は、太陽光を地球が遮ってしまうときに起こります。つまり、太陽から見て月と地球が一直線上にあるときに皆既月食が起こります。少しずれると皆既月食には至らず部分月食になります。

月が地球の影にすっぽり覆われた状態を皆既月食と呼びます。

一方、月食は満月のときにしか起こりません。月は太陽光を浴びて光っていて、地球からは月が太陽に面している側だけ光って見えます。そのため、太陽から見て月と地球が一直線上にあるときに地球からは満月が見えます。

皆既月食と満月が見えるタイミングは、基本的には同じなのです。そのため、満月の日にしか月食は見られません。

それでは、なぜ毎月皆既月食が起こらないかというと、月が地球を回る公転軌道と地球が太陽を回る公転軌道が少しずれた水平面にあるからだそうです。地球のほうが月よりも大きいので、時々月が描く軌道が地球の影に入ってしまうようです。

そうすると、普段見ている満月はよく見ると厳密な真ん丸ではないのかもしれません。

ブラッドムーン(Blood Moon)

皆既日食では月が太陽を隠すので太陽は見えなくなります。皆既月食でも月は暗くなりますが月は見えたままです。暗くなり方が特徴的で、赤銅色に変わります。

血のような色だということでblood moonと呼ばれます。

地球の影に隠れてしまっているのに、見えるのは「光の回折」という現象によるものです。

の回折

波の回折という現象について説明されているページにリンク(波の回折』わかりやすい高校物理の部屋)しておきます。光は波の一種なので、地球を回りこんで光の一部が月を照らすために皆既月食中でも月が見えます。

赤っぽくなるのは、いろいろな光が混ざって「白色光」として見えている太陽光が回折する際、赤っぽい光(波長が長い)のほうが強く回折するために、月を照らす光は「赤銅色」と表現されるような赤黒い色が主になります。

可視光の分光分布可視光

可視光を波長に応じてあらわしたスペクトラムの図です。右側に行くほど波長が長い光になります。

ブラッドムーンは、可視光の中で何とかヒトが見える光なので真紅ではなくてどちらかと言うと黒っぽい色になっています。

次回の皆既月食

国立天文台のウェブサイトに、月食・日食などが観測できる日のリストがあります。これによると2015年9月28日以降の月食は、

  • 2017年08月08日 部分月食 日本で見える
  • 2018年01月31日 皆既月食 日本で見える
  • 2018年07月28日 皆既月食 日本で見える(月入帯食、一部では部分月食のみ)
  • 2019年01月21日 皆既月食 日本で見えない
  • 2019年07月17日 部分月食 日本の一部で見える(月入帯食)

出典:『日食・月食・惑星現象一覧』(国立天文台 2015/9/29時点)

のようになっています。次回の皆既月食は2018年1月31日となっています。スーパームーンの皆既月食は2033年までありませんが、2年くらいで次の皆既月食を見ることができます。

「赤い月」

皆既月食、ブラッドムーンではなくても月が赤く染まって見えるときがあります。国立天文台の良くある質問のページに理由が書いてありました。

地平線(水平線)近くに月があるときは、月からの光が、厚い大気の中を通過することになります。すると、青い光は届きにくく、赤い光だけが私達の目に届きます。そのため、月が赤っぽく見えるのです。
どんな形の月でも(月だけでなく実は星も!)、地平線近くにあるときには赤っぽく見えますので、一度よくご覧になってみてはいかがでしょうか。
出典:『質問2-3)月が赤く見えるときがあるのはなぜ?』(国立天文台)

朝日や夕日が赤くなるのと同じ理由で光の散乱のせいだそうです。空が青いのも、海が青いのも同じ光の散乱によるものです。

ということは驚くほど赤いブラッドムーンは、月食が起こる時間帯が真夜中でないほうが良いのかもしれません。そうすると、2018年7月28日の皆既月食はとても綺麗(?)かも知れません。

NASAのブラッドムーン写真

NASAが選んだ今回のブラッドムーンの写真がFlickrにアップロードされています。クリエイティブコモンズで公開されているので、僕が一番気に入ったものを貼っておきます。(容量の都合上、大きく画質を落としてあります。)

欠けていても赤くなくて暗いだけの写真が結構多いです。僕も思ったより赤くないなあと思っていたのですが、場所や時間だけでなく、人によってもカメラによっても光の見え方が大きく違うのかなと思います。

Bloodmoon of Sep 28, 2015 @ Colorado State CapitolCC BY-NC-ND by NASA/Bill Ingalls (https://goo.gl/WMFHPW)

 

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