2014年から色々な意味で話題になり続けている小保方晴子さんとSTAP細胞(刺激惹起性多能性獲得細胞)ですが、2016年3月31日に小保方さん側が新しいウェブサイトを公開したそうです。

名前は「STAP HOPE PAGE」で、名前を見たとき「STAP HOME PAGE」と間違って認識していて、ちょっと前時代的なネーミングだなあと思ってしまっていたのですが、「STAPホームページ」ではなく「STAP希望のページ」だったようです。(検索エンジンはちゃんと正しいページに導いてくれます。)

STAP HOPE PAGE?

「STAP HOPE PAGE」が公開されたというのはネットのニュースサイトで見かけました。見つけたのが4月1日になってからだったので、ちょうどエイプリルフールだし、ホンモノなのかな?と思いましたが、ネットニュースにまぎれて日本経済新聞も伝えています。

日本経済新聞の記事は3月31日付けです。

403エラー

サイトへアクセスしてみましたが、403エラーでアクセスできませんでした。

403エラーは意味としては「あなたはアクセスできません」ですが、アクセスできなくなる理由としては、

  1. アクセスが禁止されている(居住地などから)=特定の人以外には非公開になっている
  2. 場合によっては、アクセス過多のため

(1)のアクセスが禁止されているというのがごく一般的な理由ですが、サーバー設定によっては、アクセス過多のためにアクセス不能になった場合、403エラーを出すことがあるようです。

翌日以降はアクセス集中は終わったようで正常に表示されています。

 ウェブサイトの出所?

アクセスできなかったのですが、外から見える情報としては

  • カナダのtuscowsというドメイン名登録業者
  • アメリカのsitegroundサーバー(sitegrond.biz)
  • 認証情報はアルファSSL

を使っていることがわかります。ドメイン名の登録情報はtuscowsのプライバシー機能で非公開になっていますので、ページを公開したのが誰かを窺い知ることはできません。SSLを使っていますが、認証レベルが高いものではないようなので、こちらからも誰が公開したのか知ることはできません。

アルファSSLは日本の業者を仲介することもできますが、Sitegroundも仲介しています。Sitegroundはtuscowsを使っているようなので、Sitegroundのサービスだけで作られているようです。

Sitegroundは、日本の業者ではありませんが(たぶん)大手と言える業者で、英語でサイトを公開するなら可もなく不可もないサービスですが、安いプランは月額$6.95(に色々なプロモーションがついて$4くらい?)なので格安系サーバーに含まれる価格です。なんとなく日本ではミニバードくらいの雰囲気です。(月額5万円程度のサービスもあるので、どれを使っているのかはわかりません)

Sitegroundは安いプランでも帯域制限なし(unlimited)を謳っているのですが、アクセス殺到でアクセス禁止になっているのだとすると、(Sitegroundの)イメージダウンですが、帯域制限なしと言っても、

  • 帯域制限=通信量の制限、どのくらいのアクセスを受け入れてくれるか
  • 同時接続数制限=同時接続数の制限
  • CPU制限、データベースアクセス制限=使っているプログラムによる

と色々あるので、そんなものかもしれません。

騙りモノではないらしい

日本経済新聞のようなところでも取り上げられているのに加えて、小保方さんを応援するページ(小保方晴子さんへの不正な報道を追及する有志の会)にも投稿されています。

さらに、小保方さんの弁護士、三木秀夫弁護士の名前でホームページを公開した旨をフェイスブックで告知していました。アカウントが本物かどうかはわかりませんが、そこまで手の込んだいたずらをすることはないでしょうから、どうも本当に小保方晴子さんと三木秀夫弁護士が立ち上げたページのようです。

 

あの日」で取り上げた手順を公開するようです。

医学研究

医学研究の論文はとても再現性が低いことが知られています。「一流医学雑誌で認められた!」というフレーズを見ることもありますが、この「認められた」部分が問題です。

ウィキペディアの記事を引用すると、

一般の報道においては学術雑誌に掲載されたことが新しい「真実の」発見であるかのごとく取り扱われることがあるが、これは重大な間違いである。下記の査読においても手段と考察が妥当であるか(簡単に言えば話の筋道が通っているか)が検討されるのであって、見逃されていた事実が存在する可能性は多分にある。そもそも、科学的に(もっとも広い意味での科学的に)疑いのないこと、あるいは既知の事項は研究に値せず、したがって学術雑誌に掲載されることはない。最先端の研究であるということは、得られた結論が真実であるかどうか、まだ誰にもわからないのである。
出典:『学術雑誌』(ウィキペディア 最終更新 2016年2月10日 (水) 23:50)

ということで、「認められた」のは、「書かれた研究方法からは研究方法に明らかな誤りが見られず、それを踏まえた結論がなんとなく妥当である」こと、とさらに「その結果が投稿された雑誌に載せるのに値するかどうか」という2点です。

Nature誌などの「一流紙」とされる雑誌の場合、特に「今までの常識を変えるような」研究だったり、「結果が多くの人の関心を引く」研究が選別されます。その結果、結果に再現性があるかは投稿した論文が受理される過程で検討されますが、論文の結論が普遍的だということはほぼ有り得ず、「この状況では」という但し書きが付きます。その「状況」が論文からわかることもありますが、特にScience誌やNature誌では不明瞭な場合がほとんどだったりします。

論文が撤回される時は?

科学論文がそういうものだという前提に立つと、「結論が間違っていた」「結果に再現性がなかった」という理由は論文撤回の理由にはなりません。今回のように撤回されるのは、

  • 主要な結果が捏造されていた
  • 他の研究結果を盗用していたのが判明した
  • 研究方法に重大な誤りがあった

が組み合わさっていて、さらに主要著者の同意があって編集部が撤回する必要があると判断した場合だけです。問題が撤回するほどは大きくない場合には、著者からの「修正」という形で再度公開され、論文を見たときに修正があることが通知されます。

STAP細胞の論文で発覚した問題については検証ページや開設ページが多くありますが、「STAP細胞として解析された細胞が別の種類の細胞(ES細胞)だった」と信じるに足りる理由がる上に、「ES細胞ではないという証拠を論文中で示した」はずだったという点が重要だったと個人的には思います。

STAP細胞の意味って?

医学分野ではノーベル賞を受賞された山中伸弥教授のIPS細胞を軸に実用化に向けた臨床研究が急ピッチで進んでいます。

STAP細胞が実現できるとしたら、

  • 簡便に作成できる
  • 癌化する危険が低い

という可能性があるかもしれません。それは大きな進歩ですが、かといってそれが「みんなの手に届く医療」になるまでには時間がかかりますし、iPS細胞もそのころには同じような進化を遂げているのではないか、という気がします。iPS細胞の研究は病気の人への応用も既に始まっていますので、小保方さんが新しく公開する方法でSTAP細胞の再現ができたとしてもすぐに何かに影響することはないでしょう。いまさらですが、Yahoo!に寄稿された記事『STAP細胞とiPS細胞の比較報道は誤り 山中教授「影響非常に大きい」』がわかりやすいです。

いつか普通の医療として使えるようになったら、IPS細胞由来だろうとSTAP細胞由来だろうと、非常に高額になりそうだというのは目に見えています。

小保方さんが新しく公開する方法でSTAP細胞の再現ができようと、できまいと、僕も含めた普通の人にはそれほど影響はありません。それでも、あれだけ注目を浴びたのは「すぐに大きな変化を起こすことはなくても、次の大きな発見の土台になる可能性が高いから」だったのではないかと思っています。

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