2015年4月末にメリーランド州ボルチモアで暴動を引き起こしたボルチモア市の黒人青年致死事件では、6人の警察官が25歳の黒人青年を死に至らしめたとして逮捕されました。

6人の警官は白人3名黒人3名で、順次裁判が始まっていきます。最初の裁判が11月30日に始まりました。この最初の裁判では、26歳の黒人男性ウィリアム・ポーター被告が殺人などの罪で裁かれます。

事件の経過

以前の記事『ボルチモア暴動の原因になった逮捕の顛末』に書いていますが、簡単に書くと

メリーランド州ボルチモア市で2015年4月12日午前8時39分、黒人男性のフレディ・グレイ氏が逮捕されました。目撃者によるとこのときに痛みを訴え歩けなかったとされています。その後、騒いだため(?)足かせをつけるために一旦降ろされた場面が目撃者に撮影されており、警官に引き摺られている様子が映っています。

逮捕されてから40分ほどかかり、午前9時24分に警察署に着きましたが様子がおかしく、処置されたものの午前9時45分に昏睡状態で救急外傷センターへ搬送され死亡しました。

事件が発生した場所はボルチモア市の中で貧困が激しく、薬物・暴力犯罪が多発するエリアです。

問題になった点は、

  1. 逮捕の正当性が疑われる。「目が合った」ために追跡し、拘束後にフレディ・グレイ氏のポケットからポケットナイフが見つかったことが逮捕理由になっています。このナイフは警察の発表によれば持ち歩くことは違法とされていますが、メリーランド州では明らかに合法で、ボルチモア市内では禁止されているものだったようです。
  2. 拘束は「暴力的ではなかった」と報告書にあるのにも関わらず、既に歩けなくされていたという証言がある。(フレディ・グレイ氏は徒歩で逃げていた)
  3. 護送車に乗せるときの安全装置が適切でなかった。
  4. 外傷があって様子がおかしいことに気づいた警官が居たのにも関わらず、対処しなかった。

といったことでした。

4月27日のフレディ・グレイさんの葬儀に集まった人の一部が暴徒化し、警官100人以上が怪我をする事態になり、その後逮捕・護送に関わった警察官6名が逮捕されました。

最初の裁判、ウィリアム・ポーター被告

2015年11月30日に始まった裁判では、26歳の黒人警官ウィリアム・ポーター氏が被告として裁かれています。

故殺(manslaughter、日本で言う「傷害致死」に近そうですが・・・)、暴行(assault)、危険を看過した罪(reckless endangerment)で訴追されていて、ポーター被告は無罪を主張している模様です。

6名の中で罪が重いわけではなく、ポーター被告は逮捕された後に応援として呼ばれて合流しているので逮捕の現場は見ていないようです。裁判は12月17日までに終わり、次は1月に護送車の運転手が裁判にかけられる予定だそうです。

陪審員

裁判は11月30日に始まりましたが、「裁判」自体はまだ始まっていません。陪審員を選定する作業が今後数日間続き、その後「裁判」が始まります。

初日は陪審員の候補者が呼ばれ、1400名召喚されたうちの75名が質問を受け、12月1日には別の陪審員候補が召喚され、12月2日にはそれまでに召集されたものの質問を受ける時間がなかった候補者が面接されるそうです。

日本の裁判員制度と似ているようで全然違う制度ですね。

質問内容

下記のBaltimore Sunの記事によると、

  • 38名が犯罪にあったことがある、もしくは逮捕されたことがある
  • 25名が、ポーター被告の裁かれる罪状に強い感情がある
  • 12名が、警察官だったか家族に警察官がいたことがある

というような内容だったようです。

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