アメリカのほぼ全土、43州で2008年に食中毒を起こし9人が亡くなる事態を起こした食品会社の最高経営責任者(CEO)に禁固28年の判決が言い渡されました。

事実上の終身刑ですが、求刑は最高803年だったそうです。

2008年ピーナッツバター食中毒

2008年9月から全米43州に掛けて723人にサルモネラ菌による食中毒があり最終的に9名が死亡ました。2009年に入ると原因がピーナッツバター工場でのサルモネラ菌汚染だったことが判明し、工場の衛生状態が良くなかったことが話題になったようです。

 検査が行われたのは、クッキー、クラッカー、シリアル、キャンディー、アイスクリームなど菓子原料用のピーナツバターを製造するピーナツ・コーポレーション・オブ・アメリカ(Peanut Corporation of America、PCA)のジョージア(Georgia)州ブレイクリー(Blakely)の工場で、製品貯蔵室の壁や天井から大量のカビが検出されたという。さらに、包装済み製品用の運搬ケースや荷台からもサルモネラ菌が検出された。工場の天井に最大76センチの亀裂があるのも見つかったという。
...中略...
 PCAは2007年6月から2008年9月に行った自主検査で、12回、サルモネラ菌を検出していながら、製品の出荷を続けていたという。
出典:『米国のサルモネラ症感染拡大、原因はピーナツバター』(AFPBB)2009年1月29日

サルモネラ菌食中毒

サルモネラ菌は食中毒の原因としては、かなりメジャーなものです。典型的には食肉を汚染する食中毒菌ですが、この2ヶ月くらいの間に『インドネシア工場産のマグロで食中毒』があった際にサルモネラ菌が原因菌とされたり、キュウリがサルモネラ菌に汚染されていたために大規模な食中毒があったりしました。

キュウリの食中毒は、現在31州418人が食中毒を発症し3人が死亡しています。参考:『Arizona woman is third victim of widespread salmonella outbreak』(FOX news 9/21)

汚染の原因は、不衛生な工場であったり、堆肥に糞尿由来のサルモネラ菌が残っていたりすることが多いです。

サルモネラ菌等の病原性微生物は、自然界に広く生息しているものですから、家畜ふん尿にも、そうした病原菌が含まれていることがあります。堆肥に、そうした病原菌が含まれていると、地域環境や土壌、作物が汚染される危険性があるため、検出されてはなりません。
 全国から収集した645の畜ふん堆肥を調査した結果、腸管出血性大腸菌O157は全く検出されませんでしたが、1.2%の堆肥からサルモネラが検出されました。ほとんどの堆肥は安全ですが、不適切な堆肥化の危険性が示されました。
出典:『安全で衛生的な有機肥料にする』(畜産環境技術研究所)

ピーナッツ・コーポレーション・オブ・アメリカ

自主検査で何度もサルモネラ菌が検出されていたのに、そのまま操業し被害を発生・拡大させたこの会社は、かなり悪質なケースであるように思えます。

裁判所での禁固28年判決

この会社、PCAの最高経営責任者(CEO)だったスチュワート・パーネル被告(Stewart Paenell)に2015年9月21日、禁固28年の刑が下されました。現在、スチュワート被告は61歳なので判決が確定したら90歳くらいまで収監されることになり、事実上の終身刑だとニュースになっています。

A federal judge handed Parnell a 28-year prison sentence, the toughest penalty ever for a corporate executive in a food poisoning outbreak. Parnell is 61 and unless he wins an appeal, he will have to serve out most of his term.
His brother and food broker Michael Parnell received a 20-year sentence, and the plant's quality assurance manager, Mary Wilkerson, was given five years.
出典:『28 years for salmonella: Peanut exec gets groundbreaking sentence』(CNN.com)

兄弟のミカエル・パーネル被告(Michael Parnell)も禁固20年の判決で、今までに会社経営者としては例がない長期刑だそうです。

それでも、予想された最高刑よりは大きく減刑されているそうです。 

A jury in south Georgia convicted Stewart Parnell a year ago on 72 counts of fraud and conspiracy.
...中略...
Parnell was facing up to 803 years in prison, and even though his sentence fell far short of the maximum, food safety advocates hailed it as a big step forward.
出典:前出CNN記事

日本の裁判制度と違って、一つの事件なのに72個の違法行為で起訴され、最大803年の刑だったというのが驚きです。アメリカでは過去に10000年や4040年という刑も下されたことがあるようですが、世界中ではドイツで最大14万年の刑というのもあったそうです。日本が短いだけなのかもしれません。

 

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