CNN.comに北朝鮮関係のニュースが出ていました。今回は2015年8月に「米国とその他の敵国に向けていつでも核兵器を使う準備がある」と国営放送が言っていた話と、2015年10月の朝鮮労働党結党70周年に向けて衛星(ロケット)を発射しそうだというニュースです。

今回に限らず日本で北朝鮮関係のニュースが出るときは、アメリカのニュースにも大体同じものが出てきます。

核兵器をターゲット

CNNのニュース記事では、

North Korea says it is ready to use nuclear weapons against the United States and other foes if they pursue "their reckless hostile policy" toward Kim Jong Un's regime.
In a statement carried by the North's state-run Korean Central News Agency on Tuesday, an atomic energy official said Pyongyang is improving its nuclear weapons arsenal "in quality and quantity."
"If the U.S. and other hostile forces persistently seek their reckless hostile policy towards the DPRK and behave mischievously, the DPRK is fully ready to cope with them with nuclear weapons any time," the director of the North Korean Atomic Energy Institute said, using an abbreviation of the country's official name, the Democratic People's Republic of Korea.
出典:『North Korea warns U.S. it's ready to use nuclear weapons 'any time'』(CNN.com)

で、内容としては日本で出ているもの(参考:『北朝鮮、核兵器を「質と量において」拡充中=KCNA』)と大体近いです。

アメリカのニュースで日本と違うのは、アメリカ本土に到達できるかどうかというところに関心がある点で、

Notorious for issuing alarming and attention-grabbing statements, Pyongyang has repeatedly threatened to use nuclear weapons against the United States in the past. But doubts remain over whether it has the missile technology to target the U.S. mainland.
出典:前出CNN記事(下線は管理人による改変です)

過去からいままで繰り返し核兵器を使うという脅しをして、注意を引こうとしているがアメリカ本土を狙えるミサイル技術があるかどうか、という話です。

ミサイル技術(衛星)

そこでいつもセットで出てくるのが、北朝鮮の衛星打ち上げ計画です。

平和的な衛星打ち上げとアナウンスしているものの、日本を含めアメリカなどの国からは弾道ミサイルと認識されています。次の発射準備が整いつつあるというニュースが同時に出ています。

North Korea says it is in the "final phase" of developing a new satellite, raising the prospect of a long-range rocket launch that would provoke international condemnation.
The world should expect to see a series of North Korean satellites "soaring into the sky," the country's state-run Korean Central News Agency reported Monday, citing a senior aerospace official.
Although nuclear-armed North Korea insists its satellite launches are for peaceful purposes, they are widely viewed as tests of ballistic missile technology that aid its weapons program.
出典:『North Korea touts satellite advances, raising prospect of rocket launch』(CNN.com)

このニュースも日本でも同じものが出ています。

北朝鮮が新型衛星の開発を進めており、発射の準備が整いつつあると、朝鮮中央通信(KCNA)が14日伝えた。朝鮮労働党創建70周年を迎える来月10日前後に長距離ロケットを発射する方針を示した。
長距離ロケット発射が成功すれば、北朝鮮が弾道ミサイル開発で前進したことになる。
KCNAは「党中央委員会が決める時間と場所で、先軍(軍事優先)朝鮮の一連の衛星打ち上げを、世界がはっきりと目撃するだろう」と報じた。
出典:『北朝鮮が長距離ロケット発射示唆、来月10日ごろか』(ロイター)

 先軍人工衛星?

北朝鮮は平和的な人工衛星技術だとアナウンスしているハズなのですが、前出ロイターの記事でも、

KCNAは「党中央委員会が決める時間と場所で、先軍(軍事優先)朝鮮の一連の衛星打ち上げを、世界がはっきりと目撃するだろう」と報じた。

と書かれています。平和的な人工衛星で「先軍(軍事優先)」が目撃されると言いたくなる辺り、説明が論理的に破綻している気がしてなりません。

人工衛星技術と弾道ミサイル

いつも北朝鮮の人工衛星、イコール、弾道ミサイルと見做されてしまう理由が説明されたページが防衛省のウェブサイトにありました。

 第二次大戦後、米国およびソ連が「V-2」の技術を入手し、これを基に大陸間弾道ミサイル(ICBM:Intercontinental Ballistic Missile)や中距離弾道ミサイル(IRBM:Intermediate Range Ballistic Missile)を開発するとともに、ここで得た技術を用いて人工衛星打上げロケットを開発したとされている。
 弾道ミサイルを衛星打上げロケットに転用した例として、米国の初期の弾道ミサイルであるアトラスやタイタン、ロシアの弾道ミサイルであるSS-25、中国の弾道ミサイルである東風5号などが転用または一部改造されて、人工衛星の打上げに利用されたと言われている。
 弾道ミサイルと人工衛星打上げロケットは、基本的に1)エンジン部構造(推進剤タンクを含む)、2)段間部構造(切り離しを行う部分)、3)搭載機器(誘導機器、電波機器、姿勢制御用電子機器等を収納)、4)ペイロード部から構成されており、ペイロード部に人工衛星を格納するか、弾頭を格納するかに違いがあるが、構造上ほぼ共通している。このことから、推進部の大型化とその分離、姿勢制御、推進制御等など必要となる技術は共通しており、人工衛星の打上げであっても、弾道ミサイルの性能向上のためにこれら種々の技術的課題の検証が可能となる。
 一般的に、弾道ミサイルは放物線を描いて飛翔し、目標地点に弾頭を誘導するが、衛星打上げロケットは、一定の高度にまで到達させた後、平坦な軌跡をとり、所要の速度(例えば、高度約200kmの地球周回軌道であれば、秒速約7.8kmであり、高度約700kmであれば秒速約7.5km)以上を与え人工衛星を地球周回軌道に投入するという飛翔形態の違いがある。

出典:『(解説)弾道ミサイルと人工衛星打上げロケットについて』(防衛省ウェブサイトより)

ページが作られたのは2009年ですが、今でもきっと同じだと思います。

そもそも、人工衛星の打ち上げには弾道ミサイルが改造されて利用されたらしいということ、また載せるのが衛星か弾頭かが違うものの、基本的には同じもので、飛び方を変えているだけのようです。(「だけ」の部分も難しいのでしょうが・・・)

 

 

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