アイスバケツチャレンジをしている女性

アイスバケツチャレンジというものがありました。2014年に爆発的に流行して社会問題にもなった、あれです。2015年7月15日にアメリカのプロゴルファーChris Kennedy氏が始めた運動で、氷水を頭からかぶるか、100ドルをALS(筋萎縮性側索硬化症)の団体に寄付するものです。

一年たち、アメリカのALS団体に集まった寄付は1億1500万ドルだそうです。寄付金の行方をCNNが聞き取りして記事にしています。

筋萎縮性側索硬化症(ALS)

ALSは筋肉の力が急激に衰えていく病気で、最期は呼吸する筋肉が動かなくなって死に至ります。著名人では、徳衆会病院創立者の徳田虎雄・元衆議院議員が発症して人工呼吸器をつけています。

2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか

1年間で新たにこの病気にかかる人は人口10万人当たり約1?2.5人です。全国では、平成25年度の特定疾患医療受給者数によると約9,200人がこの病気を患っています。

3. この病気はどのような人に多いのですか

男女比は男性が女性に比べて1.2?1.3倍であり、男性に多く認めます。この病気は中年以降いずれの年齢の人でもかかることがありますが、最もかかりやすい年齢層は60?70歳台です。まれにもっと若い世代での発症もあります。特定の職業の人に多いということはありません。

出典:「難病情報センターホームページ(2015年07月現在)から引用」

半数が発症後5年以内に亡くなるといわれています。人口10万人当たり1.1?2.5人発症ということですから、日本の人口1億2689万人(2015年推計値)からすると年間1268人から3172人くらい発症しているのに患者数が9000人あまりなので、進行の早さが見て取れます。それでも、ケアの進歩や治療の効果なのか、近年は生存期間が延長している傾向にあるそうです。

治療は筋肉が衰えるのに応じて必要な対策を講じるのが主で、治癒させたり大幅に生存期間を伸ばす治療法はありません。治療薬「リルゾール」がありますが効果は2?3ヶ月の延命です。これが長いかどうかは考え方によりますが、病期にかかわらず推奨されています。(参考:「筋萎縮性側索硬化症診療ガイドライン2013」、日本神経学会)

「2002年ALS治療ガイドライン」と比べるとデータが増えてはいますが、残念ながら画期的な治療法はまだ現れていません。

(日本神経学会へのリンクポリシーが微妙なので資料へのリンクは置きません。検索(2002年2013年用)で出てきます。)

 

アイスバケツチャレンジ

2014年の夏に世界中の注目を集め、ALSへの関心・寄付を集めた活動が「アイツバケツチャレンジ」です。指名されたら24時間以内に氷水をかぶるか100米ドル寄付して誰かを3人指名、という「ルール」のために爆発的に拡散しました。3人に拡散するあたりは不幸の手紙と代わりないですが、難病ALSの知名度を上げ、大きな寄付を集めたのは間違いありません。

アメリカのプロゴルファー、Chris Kennedy氏(当時26歳)がALSに寄付をしたのが始まりですが、その前から寄付先を指定しないチャリティーとして始まっていたそうです。Chris氏の親類にALSの患者が居たためにALS協会に寄付をし、その後続々と寄付が集まりました。7月15日にChris氏のビデオが公開されて、1ヶ月強で1500万米ドルがALS協会に寄付されたそうです。(参考:『Here’s How the ALS Ice Bucket Challenge Actually Started』TIME)

一年がたち、アメリカのALS協会に寄せられた寄付額は115百万ドル(1億1500万ドル:約140億円)に達したようです。

 

ALS協会のお金の使い道

ALS協会(ALS Association:負荷軽減のためWikipediaへのリンクです)に集まった約140億円の寄付金の行方を、CNNが伝えています。(参考:『One year later, your ALS Ice Bucket money goes to ...』CNN.com)

2013年には24百万ドルだったようなので(Wikipedia上のデータ)、約100億円がアイツバケツチャレンジか、それで上がった知名度のために集まった寄付だと思います。

研究費

ALSの研究費に寄付金の67%、77百万ドル。いくつかのテーマに分かれて分散して使われた・使われる予定だそうです。(詳細はCNNをどうぞ)

患者の直接支援、治療センター支援

ALS患者への直接的な支援に23百万ドル。

教育費用

ALS患者や医者などの医療関係者への教育・広報費用に約10百万ドル。

50万ドルは、製薬会社へALS治療薬開発の注意点などを伝える指針作りに。

ALS協会へ

3百万ドルは、今後の活動のために残しておいて(できれば)殖やす分。

その他費用

2百万ドルがその他なのですが、内訳説明されていて、

  1. 寄付を受けたときのクレジットカード・デビットカード手数料
  2. サーバー代

とちょっと物悲しいです。クレジットカードなどの手数料は、非営利の公共団体だったらタダなのかと思っていたら甘いようです。

サーバー代というのは、一時的に非常に多くの人が寄付をしたり、情報をみるためにALS協会のウェブサイトにアクセスしたため、超過費用がかかった分だそうです。たぶん、このCNNニュースと同じようなものがほかの媒体にも出ているためだと思いますが、今もALS協会のウェブサイトは停止してしまっています。数時間前にはアクセスできたので、アクセス過多のせいですね。

アクセスを試みるのは数日やめておいたほうが良さそうです。

 

チャリティー

アメリカのチャリティーでは、寄付金の使途を明確にすることは一般的です。

この前、自然災害で寄付をする先を探していたときにも思ったことですが、日本の団体よりも海外のほうがデータをたくさん出しています。ほとんどの団体が寄付金のどれだけを直接的な支援にまわして、どれだけを手元に残し、職員の給料などにどれだけ使う予定か、実際に使ったかを公開しています。

そうではない不透明な団体をリストアップしていくウェブサイト、団体も多くあります。せっかく寄付をするなら、透明性が高いところに寄付したいものです。

 

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