2015年6月24日、アメリカでTPA法案が成立しました。TPAは、議会の承認をいちいち得なくても大統領が通商交渉を行うことができるというもので、日本も参加しているTPP(環太平洋パートナーシップ協定)の交渉が前進するものと思います。

2015年10月5日にアメリカ・ジョージア州アトランタで合意に至り、11月5日には内容が公表されました。

TPA(Trade Promotion Authority:貿易促進権限)

TPAというのは、事前に議会の承認を得なくても大統領が通商交渉にあたることができ、出来上がった合意について、事後に議会が一括して承認か不承認か決めるというものです。これがないと、交渉項目一つ一つに対して議会の承認を得なければならず、貿易交渉が進みません。

The authority was in effect from 1975 to 1994, pursuant to the Trade Act of 1974, and from 2002 to 2007 by the Trade Act of 2002. Although it expired for new agreements on July 1, 2007, it continued to apply to agreements already under negotiation until they were eventually passed into law in 2011. In 2012, the Obama administration began seeking renewal of the authority.
出典:『Fast track (trade)』(Wikipedia last modified on 24 June 2015, at 03:15.)

過去に何度かTPAが発効していたことがありますが、2007年に失効して以来なくなっていました。過去のTPAは、NAFTA(北米)やウルグアイ・ラウンドなどの交渉の際に大統領に付与されていました。今回は、TPP交渉に際してオバマ大統領にこのTPA、貿易促進権限を与える法律が可決されました。

 

TPA法案成立まで

今回TPA法案が成立するまでには、紆余曲折がありました。

5月に上院で可決されたものの下院で否決されて廃案になっていました。今回は先に下院で可決され上院でも6月24日に可決され、オバマ大統領の署名を経れば成立します。(拒否することもできますが、今回の場合は拒否することは考えられないので、事実上成立です)

TPP(=環太平洋経済連携協定)の合意に欠かせない大統領に通商交渉の権限を一任する法案を、アメリカ議会上院は先ほど賛成多数で可決した。TPP交渉は閣僚会合の開催にむけ大きな弾みがつくことになる。
出典:『アメリカ議会上院でTPPの合意に関するTPA法案が可決 TPP交渉に弾み』(日テレNEWS24 via Livedoor News)

前回下院で廃案になったのは、オバマ大統領が所属している民主党の議員たちが反対票を投じたからです。重要法案に対して、野党(この場合、共和党)が賛成しているのに与党(民主党)の議員が反対して廃案になるというのは、日本ではほとんど考えられないことですので、日本よりも議員一人ひとりの独立性が強くて権限も強いのだと感じます。

@POTUSって誰?と思ったら、オバマ大統領のアカウント(President Obama)です。「POはわかるけど、TUSって何だろう??」と思ったら、アメリカ合衆国大統領の略のようです。

President of the United States of America

 

オバマ大統領の退任後には、後任の大統領の公式アカウントとして使われるようです。

オバマ氏は初ツイートで「ハロー、ツイッター! こちらはバラク。本物だよ!(大統領就任から)6年経ってようやく、自分だけのアカウントがもらえることになったのさ」と投稿した。

これを受けて、クリントン元大統領が早速「ようこそツイッターへ! ひとつ質問。これから大統領は皆そのユーザー名を名乗るのかい?」とつぶやいた。ホワイトハウス当局者によると、POTUSというユーザー名はオバマ氏の退任後、次期大統領に引き継がれるという。
出典:『オバマ大統領、ツイッターに個人アカウントを開設』(CNN.co.jp)

引き継がれるなら、「自分だけのアカウント」ではないですね・・・

 

TPP反対派

日本では農業団体や医療業界、その他が反対していますが、アメリカでも鉱工業を中心に反対しています。反対派のスローガンを見ていたら、気になるものが混じっていました。

TPP反対キャンペーンにFRANKEN FOODの文字CC BY-NC-SA by Backbone Campaign (https://goo.gl/omKmER)

TPPに反対する人たちが持っているものの中に、「FRANKENFOOD」という言葉があります。FRANKENFOODというのは、ほとんど遺伝子組み換え食物のことを指すときに使われていて、

いろいろな「危なそうな食べ物」のイメージ画像と一緒に出てきます。(参考:避けるべきフランケンフード、主要20種類『Top 20 Frankenfoods to Avoid』care2)

日本人の僕からすると「遺伝子組み換えといえばアメリカから来るもの」というイメージなので、何でアメリカの人に「TPP=遺伝子組み換え食品」と思われているのか、皆目検討がつきません。

他にも、化石燃料を掘り尽くしてしまうとか、薬が高くなる、などといった理由でも反対されているようです。TPPはほとんどの国で反対されていますね。

 

ヒラリー・クリントンとTPA法案

TPA法案をめぐって、2016年大統領選挙の民主党予備選挙に名乗りを挙げているヒラリー・クリントン氏についても話題が出ています。

He also noted that Obama is not the only one with a political problem. So far, leading Democratic White House contender Hillary Clinton, who was an architect of the TPP as secretary of state and will need union support in her bid, has refused to say whether she supports it or opposes the deal in its present form.
"The politics for her on this issue got a lot trickier," said Manley.
出典:『Lame duck: Democrats clip President Obama's wings』(CNN.com)

Former Secretary of State Hillary Clinton, as a candidate for the Democratic presidential nomination, seems reluctant to take a firm position on an issue dividing her party: whether President Obama should have fast-track trading authority for the immense trade deal he has been negotiating, the Trans-Pacific Partnership. With some progressive voters eyeing her with some skepticism, and facing a challenge (such as it is) from candidates on her left, she is being advised to tack in that direction.
出典:『45 times Secretary Clinton pushed the trade bill she now opposes』(CNN.com)

そもそもヒラリー氏は国務長官をしていたときにTPPに参加するために活動していて、TPA法案を可決させるようにずっと働きかけていたのに今回はTPA法案に反対しています。

TPA法案に反対しているのが民主党議員だったことからわかるように、TPPに賛成すると党内からの支持が得られにくいので反対に回っていると考えられます。TPPが今後どう展開するとしても、これからの時期にTPPが話題に上ることは、ヒラリー・クリントン氏にとっては良くないのかもしれません。

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