バラク・オバマ大統領がネットメディアに出演し、その中でNワードを使用したことが話題になっています。出演したのは、「WTF with Marc Maron」というポッドキャストで1時間あまりにわたって放送されました。この中で、黒人差別問題に言及し、Nワードを発したのです。

Nワード

Nワードというのは、黒人を示す差別用語として長らく使われている「nigger」(名詞)や「nigro」(形容詞)のことです。放送禁止用語として認識されているので公共の場で耳にすることは滅多になく、テレビや新聞でもそのまま書くところもありますが「Nワード」や「n*****」とぼかして書くところも多いです。これを現役大統領がしゃべったことで話題になっています。

最近、メディアでNワード発言が出てきたのは、大学バスケットボールの記者会見で選手が口にしたのが偶然マイクに拾われた件(記事『ケンタッキー大学の選手がNワード発言』)や、大学生が大学の創立記念パーティーへ向かうバスの中で唱和した件(記事『オクラホマの合唱事件、』)で、いずれも「つい出てしまった」ものですが、今回のオバマ大統領はちょっと違います。

 

オバマ大統領のNワード

バラク・オバマ大統領がNワードを発したのは、ネットメディアの「WTF with Marc Maron」内で黒人差別について言及したときです。

President Barack Obama used the n-word during an interview released Monday to make a point that there's still plenty of room for America to combat racism.
"Racism, we are not cured of it. And it's not just a matter of it not being polite to say nigger in public," Obama said in an interview
出典:『Obama uses N-word, says we are 'not cured' of racism』(CNN.com)

公共の場でNワードを言わなければ良いという問題ではない、というようなニュアンスの発言ですので、前述の例とは明らかに違う使い方です。それでも、現役の政治家、しかも大統領が発言したことで話題になっています。

日本のCNN.co.jpに翻訳記事がありました。

コメディアンのマーク・マーロン氏とのインタビューに応じたオバマ大統領は、「人種差別(の病)はまだ治っていない。公の場で『ニガー(nigger)』と言うのは失礼だというような単純な問題ではない」と指摘。「人種差別がまだ存在するかしないかをこれで測ることはできない。あからさまな差別だけにとどまる問題でもない。200~300年前に起きたことを何もかも一夜にして消し去ることはできない」と語った。
出典:『人種差別の病「まだ治らず」 オバマ氏、禁止用語も使い指摘』(CNN.co.jp)

ホワイトハウスのEric Shultz(エリック・シュルツ)次席報道官が大統領が発言するのは初めてではないよ、と声明を出しています。

The White House released a statement saying that this is not the first time the President has used the N-word. "Truth is he uses the term about a dozen times in Dreams from my Father," White House Deputy Press Secretary Eric Schultz said.
出典:上記CNN記事

ここで出てくる「Dreams from my Father」(リンクはアマゾン)は2004年に発行された本なので、オバマ大統領の発言ではありますが現役大統領ではないでちょっと的外れな気はします。

(リンク先はアマゾン)

CNNにもう一本オバマ大統領のNワード関連記事が出ています。

"I wish he had chosen to say, quote, the 'N' word as opposed to saying the word, because I have been long on record that coarse language used in any context in the pubic square is not the best way to talk about these types of issues. The 'N' word has never had a positive meaning," Morial said.
Though Obama's choice of language was striking, Obama has made similar points in a more formal setting many times throughout his presidency, from his speech marking the 50th anniversary of Martin Luther King's "I have a Dream" speech to off-the-cuff remarks during White House briefings at times of racial tension.
出典:『Why Obama's N-word was shocking』(CNN.com)

読み物としてはこちらの記事のほうが面白いですね。

 

WTF?

ところで、ポッドキャストのチャンネル「WTF with Marc Maron」のWTFは、色々な意味に取れる略語ですが一般的なのは「What the fuck」だと思います。

「What」を強調するスラングですが、一語だけで使われることもあります。fuckはNワードと並んでFワードと呼ばれることがありますが、Nワードほど忌避されているわけではありません。アメリカでは強調の意味で使われますが、アメリカだけで使われる意味です。アメリカ人はよく使っていますが、日本人が不用意に使うものではありません。

 

WTF with Marc Maron

普段は広告が含まれる放送のようですが今回の放送分は特別に広告なしで配信されています。(参考:『Episode 613 President Barack Obama』WTF with Marc Maron)

ポッドキャストとして聞くこともできます(iPhoneやiTuneの放送番組)し、mp3でダウンロードすることもできます。1時間以上あるので、僕は聞く気になれないのですが、ヒアリングの練習にどうぞ。

スタジオの様子が出ています。それにしても、大統領がネットメディアに出てくるというのは、時代が変わったのだなあと思います。そういえば、日本の安倍晋三総理もニコニコに出ていました。

一緒に、今回の放送を記念してウェブサイト「Marc Meets Obama(http://marcmeetsobama.com/)」が作られています。内容は放送のときに撮った写真だけなのですが、家周辺の道路が駐停車禁止になっていたり、シークレットサービスの記念メダル(?)のようなものが出ていたりと面白いです。

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