ニュースに「Bans Conversion Therapy」「outlaws gay conversion therapy」というものが出ていました。訳すと「性転換治療の禁止」という意味なのでタイトルだけ読んで誤解していましたが、中身を見るとトランスジェンダーを受け入れる方向の法律でした。

性転換治療を禁止する法律

オクラホマ州で性転換「治療」を禁止する法案が成立し、民主党のケイト・ブラウン(Kate Brown)州知事が承認したというニュースが出ていました。ケイト・ブラウン州知事は1960年生まれの54歳(2015年5月25日現在)で、1991年からオレゴン州下院議員を務め、1997年からオレゴン州上院議員、2015年2月に州知事に就任したばかりです。Dan Little氏というデータエンジニアの夫がいますが、ケイト・ブラウン知事はバイセクシャル(両性愛者)であることを公表しています。

オクラホマ州の性転換治療を禁止する法律は、「未成年者に対して『性の自己認識』を治す」治療を禁止するもので、「性転換手術」を禁止しているわけではありませんでした。用語がわかりにくいです。ニュースでも、「'conversion' thrapy」や「so-called conversion therapy」(いわゆる性「転換」治療)と書かれているので、アメリカ人も誤解する人が多いのだと思います。

Oregon this week became the third state to ban conversion therapy, a widely discredited practice aimed at changing the sexual orientation of individuals who identify as gay or lesbian.
Democratic Gov. Kate Brown, the first openly bisexual governor in the country, signed on Monday the bill into law, which bars therapists from performing conversion therapy on individuals under 18. Similar laws already exist in California, New Jersey and Washington, D.C.
出典:『Oregon outlaws gay conversion therapy, joining two other states』(CNN.com)

Oregon Gov. Kate Brown Monday signed into law House Bill 2307, which bans the use of so-called conversion therapy on minors.
The bill passed the Oregon Senate earlier this month by a vote of 21-3, after passing the House in March. Oregon now joins California, New Jersey, and the District of Columbia in outlawing the scientifically discredited therapy, which attempts to change a person’s sexual orientation or gender identity.
出典:『Oregon’s Bisexual Gov. Bans Conversion Therapy』(shewired)

似たような法律はカリフォルニア州、ニュージャージー州、ワシントンD.C。(正式名称はDistrict of Columbia、コロンビア特別区)にもあるので、それに続く3番目の州(ワシントンDCは区であって州ではない)です。

 

ホワイトハウスは性転換治療禁止法を支持

オクラホマ州で法律が成立する前の2015年4月には、ホワイトハウスが性転換治療禁止の動きに支持を表明していました。これは、アメリカ政府の署名サイト「We the People」の署名案件に対して集まった120,958件の署名に対して、バラク・オバマ大統領の上級アドバイザー、Valerie Jarrett氏が公式回答をしたのに続いて表明されました。

Writing an official administration reaction to the petition, which garnered more than 120,000 signatures, President Barack Obama's senior adviser Valerie Jarrett wrote the "overwhelming scientific evidence demonstrates that conversion therapy, especially when it is practiced on young people, is neither medically nor ethically appropriate and can cause substantial harm."
"As part of our dedication to protecting America's youth, this administration supports efforts to ban the use of conversion therapy for minors," Jarrett wrote.
A federal ban on the practice, which its proponents claim can change a person's sexual orientation or gender identity, would require congressional approval, Jarrett noted. She urged individual states to ban the therapy given studies showing its potential harm to those subjected to it.
出典:『White House seeks ban on gay and gender identity conversion therapies』(CNN.com)

 このニュースの中では、連邦法設立は大変なので各州で、というようなことが書かれていますので、今後もいくつかの州では制定されていくと思います。

 

WE the PEOPLE

WE the PEOPLE your voice in our governmentは、アメリカ合衆国政府の公式請願サイトで、署名開始から2週間以内に一定数(以前は2万5千、現在は10万)の署名を集めるとホワイトハウスが検討して回答を貰えるというものです。バラク・オバマ大統領になってからの2011年に開設されました。

we the peopleというのは、アメリカ合衆国憲法の一番最初の部分、前文の書き出しから取られていると思います。アメリカ合衆国の民主主義の精神だ!というようなサイトの名前で、僕は好きです。

We the people of the United States, in order to form a more perfect union, establish justice, insure domestic tranquility, provide for the common defense, promote the general welfare, and secure the blessings of liberty to ourselves and our posterity, do ordain and establish this Constitution for the United States of America.

例の像が経ったときに、テキサス州に住む作家・評論家のイタリア系アメリカ人、トニー・マラーノ氏(日本では通称テキサス親父)がWe the Peopleに撤去を求める署名活動を始めたことがあり、日本でも見たことがある人は多いと思います。

請願は成功しましたが、「地方政府の権限なので、そちらに伝えますね」という回答でした。それ以前にも別の請願があって、そちらでも同じ回答でした。(2012年のカリフォルニア州グレンデール市https://goo.gl/STz1jw、2013年のニュージャージ州とニューヨーク州https://goo.gl/dP5jOn

2007年にアメリカ下院で決議された『アメリカ合衆国下院121号決議』(ウィキペディア)に対する請願https://goo.gl/MYgz7Vもあって、こちらには「日本もっと何とかしろ」という趣旨の回答(だと感じます)が投稿されています。

この一連の件だけでも少なくとも4件の請願が出ていて、全体では膨大な数の請願が行われているので、手間が大きすぎるのか今は必要署名数が2週間で10万人とハードルがあがっています。上記の件では、どれだったか忘れたのですが署名している人の中にアメリカの住所が書いていない、日本に住む日本人がたくさん居たような気がして、無効になるかも知れないと思っていましたが、問題なく通過したようです。

(テキサス親父が関わった本が2015年5月22日に出版されました。『【送料無料選択可!】素晴らしい国・日本に告ぐ ケント・ギルバート×テキサス親父』(楽天のショップへのリンクです)という本で、どうやって日本語で対談したのかと思ったら、テキサス親父を日本で支援する団体が対談の通訳と日本語訳を作ったそうです。読んでみたい気はしますが、アメリカに送ってまで読むようなものではないかなと思います。)

 

性転換治療禁止の請願のきっかけ

ホワイトハウスへの請願が始まったきっかけは、性転換治療を両親に強制されていた17歳のLeelah Alcornさんが2014年12月に自殺したことでした。性同一性障害と「障害」という状態で呼ばれてはいますが、「お前は間違っている。男じゃなくて女なんだ。」と繰り返し教えられて自己否定させられる「治療」が大きなストレスを与えるのは想像に難くありません。(記事の最初に出ている写真は、Leelahさんの死を悼む集会のときのものです)

17-year-old Leelah Alcorn threw herself in front of truck after her parents forced her to undergo conversion therapy
出典:『Obama backs banning anti-LGBT conversion therapy』(MAMBA)
注:自殺の報道ではなく、We the Peopleへの回答についての記事です。写真がついていたので引用しました

請願サイトへの回答https://goo.gl/LpwPqqは、上で取り上げているものたちと違ってバラク・オバマ大統領の上級顧問の名前入りでかなり長い回答が出されています。日本でも国会での質問にあまり関係ないことまで回答したりしていますが、アメリカでも同じようで関連性が低いことも一緒に回答されています。

LGBTQ+ youth homelessness

To advance the Administration's goal of ending youth homelessness by 2020, federal agencies have developed partnerships to create and promote a research-informed framework that focuses on improving data quality and service capacity to support highly vulnerable homeless youth, including LGBTQ+ youth, youth involved in the foster care or juvenile justice systems, and pregnant and parenting youth.
出典:『Enact Leelah's Law to Ban All LGBTQ+ Conversion Therapy』(WE the PEOPLE)

未成年者のホームレスを2020年までになくすことを目標に何か動いているようです。

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